猫風邪と呼ばれる「猫カリシウイルス感染症」とは?

猫の三大感染症の1つ「猫カリシウイルス感染症」は、猫同士の接触による感染が主な感染経路になって発症する病気で、人の風邪やインフルエンザに症状が似ていることから「猫風邪」や「猫インフルエンザ」とも呼ばれています。致死率は高くない病気ですが決してあなどれない病気でもあります。今回はそんな猫カリシウイルス感染症の症状・原因・治療法・治療費・潜伏期間・インターフェロン・予防法などについてご紹介します。

目次

猫カリシウイルス感染症ってどんな病気?

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猫カリシウイルス感染症とは、猫がネコカリシウイルスに感染することで起こる上部呼吸器感染症のことです。

症状や感染力の強さが似ているため、猫風邪や猫インフルエンザと呼ばれる病気の一種でもあり英名ではfeline calicivirus(FCI)と呼ばれています。
同じ感染性の「猫ウイルス性鼻気管炎」を併発した場合は、総称でウイルス性呼吸器感染症と呼ばれます。

猫ウイルス性鼻気管炎と猫カリシウイルス感染症は一度もかからない方が少ない病気で、三種混合ワクチン接種の中にも含まれるているほど猫の呼吸器系感染症としては代表的な病気です。

猫カリシウイルス感染症の危険性は??

同じ猫風邪や猫インフルエンザと呼ばれる猫ウイルス性鼻気管炎と比べると、猫カリシウイルスが感染症は重症化して命にかかわることは少ない病気です。

しかし、免疫力や体力の弱い子猫がかかってしまうと肺炎を引き起こしてしまうことで命を落としてしまう場合もあるので、子猫は特に注意しなければいけません。

感染力が強い

ネコカリシウイルスの感染力はとても強く、このウイルスは乾燥した環境が大好きで、大好きな乾燥した環境下で過ごした場合は約3〜4週間の間生存することが確認されているほどです。
乾燥しやすい冬は特に感染力が強くなるので注意しましょう。

一度感染してしまうとほとんどの猫がキャリアに

猫がネコカリシウイルスに一度でも感染してしまうと約80%以上の猫がキャリアと呼ばれる保菌状態になってしまいます。さらにキャリアになると短くても3ヶ月〜6ヶ月。
長い場合は数年にもキャリア状態が続きます。

猫の平均寿命は猫種にもよりますが飼い猫で約14年〜16年、野良猫で約3年〜5年なので、数年間の間キャリア状態が続くということは野良猫の場合、ほとんど一生キャリアになってしまうことになります。

大人猫よりも子猫がかかりやすい

猫カリシウイルス感染症は、大人になった猫よりも生まれて間もない子猫が発症しやすい病気です。
子猫は母猫から受けついだ免疫に約6週間〜10週間の間は守られていますが、免疫が弱まり出してから成長するまでの間に病気にかかってしまうことがよくあります。

そのため、生後約6週間〜10週間ごろの子猫は感染しないように注意しなければいけません。

3歳を過ぎると発症しにくくなる

子猫の頃は発症しやすい病気ですが、3歳を超えて大人になってくると免疫力が強くなるので発症しにくくなります。
発症しても軽い症状だけですぐに治ったり、不顕性感染(ふけんせいかんせん)と呼ばれる感染しても発症しないことが増えます。

猫カリシウイルス感染症になるとどんな症状が出るの?

ネコカリシウイルスに感染すると約3日の潜伏期間後、猫カリシウイルス感染症が発症します。
発症してしまうと、人の風邪やインフルエンザのようないろいろな症状が起こります。

・目ヤニ
・涙
・くしゃみ
・鼻水
・発熱
・食欲不振
・口内炎
・舌炎
・よだれ
・呼吸が荒くなる

ネコカリシウイルスは猫の口内や舌に主症状が出る傾向にあるので、体調が悪そうに感じたときは口内や舌に炎症が起こっていないか注意しましょう。
発症から約3日〜7日が症状のピークで一番辛そうにするので、その前に病院に連れて行ってあげましょう。

重症化してしまった場合

猫カリシウイルス感染症は軽度の症状で済んだ場合は、発症から1〜2週間以内に回復することが多い病気ですが、症状が重症化してしまった場合はさらに猫にとって辛い症状を引き起こします。

・口腔内潰瘍
・40度以上の高熱
・下痢
・鼻先の潰瘍
・結膜炎や肺炎などの病気を併発
・関節炎
・口腔内水泡
・爪周囲の潰瘍
・食欲不振

本来2週間以内で回復に向かう猫カリシウイルス感染症が長引くと、これらの重篤な症状を引き起こしてしまい、最悪の場合「衰弱死」や「別の病気による死亡」など、命に関わる危険もあるので重症化する前に病院に連れて行ってあげましょう。

危険な病気を併発することも

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猫カリシウイルス感染症の症状が悪化した場合、他の危険な病気を併発してしまうことがあります。

この病気はたくさんの症状が出るので、いろいろな器官の病気につながる可能性を秘めており、命に関わるような重篤な病気を併発してしまうことでさらに、猫の命を危険にさらしてしまうことがあります。

猫ウイルス性鼻気管炎

猫ウイルス性鼻気管炎とは、ヘルペスウイルス科に属するネコヘルペスウイルス1型に感染してしまうことで起こる病気です。
猫ウイルス性鼻気管炎になってしまうと、猫カリシウイルス感染症と同じく人の風邪やインフルエンザのような症状が出ることから「猫風邪」や「猫インフルエンザ」とも呼ばれています。

猫ウイルス性鼻気管炎と猫カリシウイルス感染症の症状は似ていますが、症状が強く出る場所によって違いがあります。

・ネコカリシウイルス
主に口内に症状が強く出るので、口内炎や舌炎などの症状が出ます。

・ネコヘルペスウイルス
主に目や鼻に症状が強く出るので、くしゃみや目ヤニなどの症状が出ます。

猫ウイルス性鼻気管炎についてはこちらの記事で詳しくご紹介しているので、参考にしてみてください。

猫の肺炎

猫の肺炎とは、体内の酸素と二酸化炭素を交換する役割を持つ大切な器官の一つでもある肺が、炎症を起こしてしまう病気のことです。肺炎が重症化してしまうとうまく体に酸素が回らなくなってしまうことで、呼吸困難を引き起こしてしまいます。

ネコカリシウイルスが肺にまで感染してしまうことで肺炎を併発してしまうことがあります。特に、子猫や老猫などの免疫力や体力が低い猫が併発しやすいので注意しましょう。

猫の口内炎

口内炎とは、猫の口の中の粘膜が何かしらの原因によって炎症を起こしてしまう病気です。
大きく分けると口内炎には「系統性口内炎」と「潰瘍性口内炎」があり、猫カリシウイルス感染症の症状が重症化してしまうと潰瘍を伴う潰瘍性口内炎になってしまうことがあります。

潰瘍性口内炎になってしまうと、口の中を切り刻まれたようなひどい痛みを伴ってしまうため食事が取れなくなり、さらに体力がなくなって弱ってしまうこともあります。

猫の結膜炎

猫の結膜炎とは、まぶたの内側を覆っている「眼瞼結膜(がんけんけつまく)」と目の白目の部分を覆っている「眼球結膜(がんきゅうけつまく)」に炎症が起こる病気です。

猫カリシウイルス感染症の症状の目ヤニや涙が気になって、眼瞼結膜と眼球結膜を傷つけてしまうことで結膜炎が併発してしまうことがあります。

猫の栄養失調

猫の栄養失調とはその名の通り、生きていく上での栄養が足りていない状態です。

猫カリシウイルス感染症による口内炎や高熱による食欲不振が原因でしっかりとした食事が取れなくなるため、栄養失調状態に陥ってしまうことがあります。また、栄養失調状態になると同時に脱水症状になる可能性もあるので常に水分補給をさせてあげることも大切です。

1歳以上の猫が24時間以上何も食べないときは栄養失調を疑いましょう。

猫の鼻炎

鼻炎とはウイルスやアレルギーによって、猫の鼻の粘膜に炎症が起きてしまう病気のことです。
猫カリシウイルス感染症のくしゃみや鼻水の症状が重症化してしまうことで鼻炎を併発することがあります。

猫の蓄膿症

蓄膿症とは鼻の奥にある副鼻腔に膿が溜まってしまう病気のことです。
鼻炎の症状が重症化してしまうことで、膿が溜まってしまい蓄膿症を併発することがあります。

猫が猫カリシウイルス感染症になる原因は?

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猫カリシウイルス感染症の原因であるネコカリシウイルスに感染してしまう原因には大きく分けると「空気感染」と「接触感染」の2つの原因があります。どちらの原因も状況を知ることで予防できるのでしっかりと知っておきましょう。

空気感染

猫カリシウイルス感染症の原因のネコカリシウイルスは、くしゃみなどによる空気感染によって猫同士にどんどん感染していきます。

・鼻水
・つば

空気感染の場合はほとんどが、猫カリシウイルスに感染している猫のくしゃみによって感染してしまいます。

接触感染

ネコカリシウイルスはくしゃみによる空気感染以外に接触による感染もします。

・猫同士の接触
・飼い主の皮膚
・飼い主の衣類
・よだれ
・鼻水
・目ヤニ
・排泄物
・毛

空気感染よりも接触感染の方が普段の日常生活の中に危険があるので、感染してしまう可能性が非常に高く防ぐのが困難です。

どんなときに接触感染するの??

ネコカリシウイルスに接触感染してしまう可能性は日常生活の中にたくさん潜んでいるので、こんなことに気を付けましょう。

・猫同士のグルーミング
・感染猫との接触
・感染猫とのトイレの共有
・感染猫との食器の共有
・感染猫に触った手で触る
・感染猫に触れた衣類
・感染猫のよだれ、排泄物、涙、鼻水に接触

この中でも特に多いのは、感染している野良猫を触った手を殺菌しないまま飼い猫に触ることによる感染です。また知らないうちに野良猫のくしゃみや排泄物を踏んだことでウイルスがついてしまった衣類や靴も注意が必要です。

野良猫を引き取った場合は注意が必要

野良猫は過酷な環境で生活しているだけじゃなく、普段からたくさんの猫と触れ合う機会があるので猫カリシウイルス感染症になっている可能性が非常に高いです。

自宅に飼い猫がいない場合は感染することはありませんが、もしすでに自宅で猫を飼っている場合はその子に感染してしまう可能性があるので、引き取る前に飼い猫に三種混合ワクチン接種を受けさせるようにしましょう。

保護施設や多頭飼いをしている家は特に注意

ネコカリシウイルスは大好きな乾燥した環境下なら、3〜4週間もの間生存することができるほど感染力が強いウイルスなので、たくさんの猫が一緒に過ごす保護施設や多頭飼いをしている家では1匹の猫が感染してしまうだけで、ほとんど全ての猫がネコカリシウイルスに感染してしまいます。

感染してしまった猫を見つけたときは、すぐに他の猫たちと違う環境で生活させて、トイレや食器も違うものを使うようにしましょう。

猫の猫カリシウイルス感染症を治療する方法とは?

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世界中でもたくさんの猫が一生に一度はかかってしまうほど有名な猫カリシウイルス感染症ですが、いまだにウイルスを効果的に退治する特効薬は見つかっていません。

そのため、現在猫カリシウイルス感染症にかかった猫に対してできる治療方法としては対症療法しかありません。

対症療法ってどんな治療法??

対症療法とは、現在かかっている病気の原因(猫カリシウイルス感染症の場合はネコカリシウイルス)に対する直接的な治療方法がない、または出来ない場合に病気によって起こる辛い症状に対して治療を行う方法のことです。

根本的な解決にはなりませんが、猫カリシウイルス感染症の場合は、症状を抑え、猫の持つ自然治癒力を高めることにより解決することができます。ただし、重症化してしまった場合はウイルスを退治するわけではないので症状がなかなか治らないこともあります。

具体的にはどんなことをするの??

対症療法の具体的な治療方法は、いろいろな薬や処置によって症状を緩和させていく方法です。

・薬剤の投与
・抗生物質の投与
・目や鼻の洗浄
・インターフェロンの投与
・点滴

すべての薬や処置を行うのではなく猫カリシウイルス感染症になっている猫の症状がひどい場所によって必要なものを使います。

消炎剤と目や鼻の洗浄

口腔内や目や鼻の炎症を抑えるために炎症剤の入った点眼薬や点鼻薬を投与します。

また猫は嗅覚によって食欲が出るため、鼻が詰まってご飯の匂いを感じられなくなるとご飯を食べずに栄養失調になってしまうことがあります。なので目ヤニや鼻水の症状がひどい場合は、目や鼻水の洗浄をすることもあります。

抗生物質

猫カリシウイルス感染症になっている間は体力や免疫力も下がってしまうため、他の病気を併発しやすくなっています。

なので、ネコカリシウイルスそのものを攻撃するために抗生物質を使用するのではなく、細菌や他の病原体からの二次感染を防ぐために抗生物質を投与して対処します。症状がひどい場合は抗生物質を全身投与を行うこともあります。

点滴

口内炎や舌炎がひどくなって潰瘍にまで重症化してしまった場合は、口腔内の痛みで食事が取れなくなってしまうことがあります。
ただでさえ猫カリシウイルス感染症で体力が落ちているときにしっかりと栄養も取れなくなってしまうと、免疫力を高めて自然治癒することができなくなるだけじゃなく、栄養失調や脱水症状を引き起こしてしまいます。

栄養失調や脱水症状にならないために食事が取れなくなった場合は点滴によって栄養剤を投与します。

インターフェロン

ネコカリシウイルスの増殖を抑えるのは、薬ではなく猫自身が持っている免疫力なので、免疫力を高めるためにインターフェロンを投与します。

インターフェロンを投与することにより症状の回復を早めることができますが、インターフェロンは初期段階でしかあまり効果を発揮しません。
また、抗生物質の投与が遅かったせいで起こる二次感染や肺炎などの他の病気を併発してしまった場合はあまり効果は期待できません。

できるだけ早く症状に気付いて病院に連れて行くことが大切です。

インターフェロンってどんな薬なの??

インターフェロンとは、ウイルスに感染したときに体がウイルスの増殖を抑え、免疫力を高めるために体内で作るたタンパク質の1種です。

このインターフェロンには

・抗ガン作用
・免疫力増強作用
・抗ウイルス作用

の3つの作用があります。感染によって体内でのインターフェロンの生成が間に合わなくなってしまったときに点滴や注射や点眼によってこの作用を増強してウイルスの増殖を抑えます。

3つの作用がある効果的な薬なので、猫カリシウイルス感染症以外にも、猫ウイルス性鼻気管炎以外や、猫白血病ウイルス感染症などの病気にも使われる薬です。

猫の健康状態や年齢によっては負担を減らすために、インターフェロンが入った点眼薬で投与することもあります。

対症療法はどれぐらいの期間がかかるの??

症状が軽度の場合は、免疫力を高めるためのインターフェロンや、二次感染を防ぐための抗生物質によって、約1週間〜2週間で症状は治まり回復します。

ただし猫白血病ウイルスや猫エイズウイルスなどの免疫力を低下させてしまう病気を併発していた場合は回復が難しく、逆に症状を悪化させてしまうこともあるので注意が必要です。

治療費はどれぐらいかかるの??

・診察料
約1000円〜3000円

・処置料
約500円〜1000円

・目薬
約500円〜1000円

・皮下注射
1回約2000円〜4000円
(猫の体重による)

・インターフェロン
1本約3000円〜5000円
(猫の体重によって1回の本数が変わる)

・内服薬
1日約300円〜500円
(平均1週間分処方される)

・点滴
1回約4000円〜5000円

・入院
1日約5000円

・血液検査
約10000円

病院によって血液検査が必要だったり、治療費が異なることがあるので、詳しくはかかりつけの病院に確認しておきましょう。

病院によって治療費は異なりますが、約10000円はかかるので注意しておきましょう。また、初診の場合はさらに初診料もかかります。

猫の猫カリシウイルス感染症を予防する方法とは?

感染力が高くかかってしまう可能性の高い猫カリシウイルス感染症ですが、しっかり予防することである程度は予防することができます。

ワクチン接種

予防に最も効果的な予防法はワクチン接種です。
猫カリシウイルス感染症の原因になるネコカリシウイルスは最も一般的な「三種混合ワクチン」というワクチン接種でカバーすることができます。

しかしネコカリシウイルスには、インフルエンザのようないくつかのウイルス株があるので、ワクチン接種を受けたからといってワクチンと違う株のウイルスに感染してしまった場合は防ぐことができません。

ワクチン接種で症状を軽減できる

三種混合ワクチン接種を受けることで絶対に猫カリシウイルス感染症にならなくなるわけではありませんが、ワクチン接種を受けておくと発症したときの症状が軽減できるというメリットがあります。

例えば、本当なら口内炎から潰瘍まで悪化していた症状がワクチン接種を受けていたことにより口内炎までで症状が治まり、本来よりもすぐに回復に向かうことができます。

重症化して他の病気を併発したりしないようにするためにも、三種混合ワクチン接種は必ず受けておきましょう。

三種混合ワクチンってどんなワクチン??

猫用の三種混合ワクチンとは、猫がかかりやすい三種類の病気の弱毒化したウイルスやウイルスの死骸が混合されているワクチンのことです。

・猫カリシウイルス感染症
・猫汎白血球減少症
・猫ウイルス性鼻気管炎

猫用のワクチンにはこの三種類の病気以外の病気もカバーした「四種混合ワクチン」と「五種混合ワクチン」と「七種混合ワクチン」があります。猫の飼い方によって必要なワクチンを選んで受けておきましょう。

感染猫には近づけない

ワクチンは薬を使う予防方法ですが、普段の生活で猫カリシウイルス感染症に感染しないようにするためには感染猫からの感染を防ぐことがとても大切です。

多頭飼いをしている家では、1匹が猫カリシウイルス感染症にかかると全員に感染してしまう可能性があるので、生活環境を他の猫と違う場所にして、食器やトイレなどの共有している物は全て違う物を使用するようにしましょう。

野良猫からの感染に気を付ける

野良猫はネコカリシウイルスを保有している可能性がかなり高いので、野良猫を触ったあとは飼い猫に触る前に必ず手を洗って消毒するようにしましょう。

ネコカリシウイルスは保有している猫の、目ヤニやよだれや鼻水や排泄物や毛からも感染してしまうウイルスなので、手を洗うだけじゃなく野良猫を触っているときに着ていた衣類にも気をつけないと、飼い猫が感染してしまう可能性があります。

また、ここまで徹底している人はあまりいませんが保有している猫の排泄物を踏んでしまった靴をそのまま玄関に置いていることで感染してしまうこともあるので、踏んでしまった場合は靴も猫の届かない場所に置いておきましょう。

猫種によってかかりやすいってあるの??

手足の長さや顔の形など、いろいろな要因によりかかりやすい病気や遺伝する病気がありますが、猫カリシウイルス感染症はほとんどの猫がかかってしまう病気なので、どの猫種がかかりやすいというのはありません。

どんな猫種を飼っていても猫カリシウイルス感染症には気を付けましょう。

猫カリシウイルス感染症になると残る後遺症とは?

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一般的に猫インフルエンザや猫風邪と呼ばれる猫カリシウイルス感染症は、猫風邪と呼ばれることで人がかかる風邪程度の病気だと思われることがよくありますが、人の風邪やインフルエンザの症状に似ているだけで、人がよくかかるただの風邪とは全く違います。
ネコカリシウイルスに感染してしまうことで起こる病気なので、後遺症が残ってしまうことあります。

症状が治まってもウイルスは体から消えない

くしゃみや口内炎や発熱などの症状が治まってもネコカリシウイルスはすぐに猫の体から消えてはくれません。一度感染してしまうと約80%の猫はウイルスを保有したままになります。

また、数ヶ月〜数年の間と長期の場合はかなり長くウイルスを保有しているため、その期間に体調を崩したり免疫力が低下するとまれに再発してしまうことがあります。

保有期間中はまだ感染したことのない猫に感染させてしまう可能性もあるの注意しましょう。

病気の併発で手の施しようがなくなることも

症状がなかなか完治せずに体力や免疫力が低下してしまい、肺炎などの命に関わる病気を併発してしまった場合は、病院に行って治療してもらっても改善することが難しくなってしまうことがあります。

他の病気が併発してしまわないように、早めに病院に連れて行くことが大切です。

近年増え出した強毒全身性ネコカリシウイルス感染症って?

普通の猫カリシウイルスは本来病院で早めの治療を受けて、重篤な病気を併発したり重症化しなければ命に関わる可能性は低い病気ですが、近年日本でも増えてきた「強毒全身性ネコカリシウイルス感染症」という病気は大人の猫でも非常に致死率の高い病気です。

どんな症状が出るの??

本来なら重症化しなければ軽度の症状で治ることの多い猫カリシウイルス感染症ですが、強毒全身性ネコカリシウイルス感染症の場合は初期段階から強い症状が出ます。

・高熱
・口腔内の潰瘍
・下痢
・嘔吐
・直腸からの出血
・鼻からの出血
・脱毛
・結膜炎
・食欲不振
・よだれ
・目に黄疸が出る

よだれは胸から前足までのほとんどが濡れてしまうほど垂れ流し状態になり、高熱を通り越して低体温症になるほどの強い症状が出ることもあります。

強毒全身性ネコカリシウイルス感染症は致死率も高い

本来の猫カリシウイルス感染症でもかかると危険な子猫がかかってしまった場合は、80〜90%の致死率があり、免疫力の高い大人の猫でも致死率は60%〜70%以上あります。

感染してしまった時点で半数以上の猫が命を落としてしまう可能性のあるとても怖い病気です。

どんな予防をすればいいの??

猫カリシウイルス感染症の予防方法とほとんど一緒です。やはり一番大切な予防方法はワクチン接種を受けていることです。
ワクチン接種を受けていることで予防できる可能性がかなりあがるので、必ず毎年ワクチン接種を受けるようにしましょう。

多頭飼いをしている家は特にワクチン接種が大切です。

症例

治療1~2日目は、全く改善なく、むしろ腎数値は悪化。「回復の期待は難しい」とお話しました。

治療3~4日目、腎数値が低下し始めました。でも、まだまだ助かる気がしないほどの様相です。

治療5~6日目、ちょっと険しかった顔つきが、やわらかくなってきました。それでも、ヨダレは止まる気配なく、食べれるはずもない状態が続きましたが、治療10日目になって、やっと、ヨダレが減り始めました。何とか、窮地は脱したようです。

Q&A

猫カリシウイルス感染症は人にもうつりますか?

人に猫カリシウイルス感染症の原因でもあるネコカリシウイルスがうつることはほとんどありませんが、感染中の猫の排泄物や鼻水など、ウイルスがたくさん付着しているものに触れた手で目を触ったり、ものを食べるとウイルスを取り込んでしまい、目が痒くなってしまうことがあります。

うつるわけではありませんが、感染猫を触った後はしっかり手洗いをしましょう。

キャリア猫にワクチン接種をしても大丈夫ですか?

以前に猫カリシウイルス感染症にかかってしまいキャリアになってしまっていたとしても、ワクチン接種を受けることに問題はありません。

ただし、ワクチン接種に100%服作用がないということはないので、できるだけ猫が健康体のときにワクチン接種を受けるようにしましょう。

ポイント

猫カリシウイルス感染症は、致死率が高い病気ではありませんが症状の悪化や病気の併発によって命に関わることもある病気なので油断はできません。

特に猫は病気になってもしんどい姿をあまり見せない動物なので飼い主さんが普段からしっかり健康チェックをすることで、気づいてあげなければいけません。毎年ワクチン接種を受けて毎日の健康チェックもしっかりするようにしましょう。