頭を振ったり掻いたりしたらサイン?うさぎの耳の病気「外耳炎」について

うさぎが外耳炎になってしまうと、痛みやかゆみや違和感のせいで頭を振ったり耳を掻いてしまうようになります。うさぎにとって耳は大切な器官の一つなので、外耳炎の症状は強いストレスになってしまいます。重症化すると内耳炎などの危険な病気を併発してしまうこともあります。今回はそんなうさぎの耳の病気「外耳炎」の症状、原因、併発する病気、治療法、治療費、治療期間、予防法、後遺症などについてまとめました。

目次

うさぎのかかる「外耳炎」とは

外耳炎とは鼓膜よりも外側にある外耳道が、細菌や真菌の感染や異物の混入などによって炎症を起こしてしまう病気のことです。
外耳炎になってしまうと、かゆみによってしきりに耳を掻くようになったり、耳の中の違和感から頭を振るようになってしまいます。

うさぎの耳の病気は、耳と脳の位置がとても近く、細菌の感染や炎症が脳にまで広がってしまうこともあるので、どれも緊急性の高い病気です。

外耳の役割

外耳とは耳介と呼ばれる軟骨と皮膚でできた、一般的に「耳」と表現される器官と外耳道と呼ばれるほとんどが骨と皮膚でできた一般的に「耳の穴」と呼ばれる器官の二つで構成されています。

まず外から聞こえてきた音を音波として耳介で集めます。その集めた音波をラッパのような役割を持った外耳道で増幅させてから鼓膜へと運びます。
音を増幅させる役割を持った外耳道が炎症を起こし機能しなくなることで、音が聞こえにくくなってしまうこともあります。

外耳炎の危険性

うさぎの外耳炎はなかなか治りにくい病気なので、長い時は半年以上も治療を継続しなければならない場合もある大変な病気です。
大変なだけじゃなく重症化してしまうと、首が傾いてしまう「斜頸」などの神経症状を引き起こす内耳炎にもつながる病気なので、とても危険な病気です。

うさぎが外耳炎になると出る症状

うさぎが感じる症状
・かゆみ
・悪臭
・痛み
・違和感
・大量の耳垢
・耳の肥大化
・膿などの分泌液
・耳がカサつく

症状によって出る行動
・しきりに後ろ足で耳を掻く
・頭を振る
・耳を触ろうとすると嫌がる
・攻撃的になる

うさぎの外耳炎は発症原因によって症状が様々なので、「この症状だから外耳炎だ」とは一概には言えません。動物病院に行ったときに症状を詳しく説明できるようにしておきましょう。

悪臭・大量の耳垢・膿などの分泌液・頭を振る・しきりに後ろ足で掻く

うさぎが外耳炎になると、外耳道での炎症がひどくなりうさぎの体が炎症を抑えようと働くため、耳垢や膿などの分泌物や分泌液が大量に出るようになります。さらに膿や耳垢の中にある細菌が蒸れて繁殖してしまうことで、ひどい悪臭を放つようになってしまいます。

大量の耳垢や膿が耳の中にあることでうさぎは違和感を感じてしまい何度も頭を振ったり、後ろ足で耳を引っ掻いてしまうようになります。

耳の肥大化・耳がカサつく・しきりに後ろ足で耳を掻く

外耳炎のかゆみや痛みや違和感のせいで、うさぎが何度も後ろ足で耳を掻いてしまったり治療せずに放っておくと、外耳炎が慢性化してしまうことがあります。

慢性化してしまうと治療にかなり時間がかかってしまうだけじゃなく、何度も掻いてしまうことで耳がゴワゴワやゴツゴツと表現できるような腫れ方をしてしまいます。

頭を振る

頭を振るしぐさで気をつけなければいけないのが、頭を振っているのか平衡感覚を失ってふらついているのかを見極めることです。
ふらついていたり首が傾いている状態になっている場合は、外耳炎が内耳炎を併発させてしまい「斜頸(しゃけい)」という神経症状を引き起こしている可能性があり、とても危険な状態です。

斜頸の症状が見られた時はすぐに動物病院に連れて行きましょう。

耳を触ろうとすると嫌がる・攻撃的になる

外耳炎の症状が進行してしまうと、耳介の皮膚がゴワゴワと肥大化してしまい、ひどい痛みを引き起こします。触られるとかなり痛い状態なので、うさぎの耳を触ろうとすると嫌がって逃げたり、反対に攻撃的になってしまうこともあります。

また、違和感や痛みやかゆみでストレスが溜まってしまい飼い主や他のうさぎに対しても攻撃的になることがあります。

うさぎが外耳炎になる原因

・耳ダニ
・細菌
・真菌
・異物の混入
・外傷
・飼い主が行う耳掃除

耳ダニ

耳ダニとはうさぎの耳に寄生する寄生虫のことで、耳の中に繁殖することで耳ダニ症を引き起こします。この耳ダニは耳の中で繁殖して炎症を起こしてしまうため、外耳炎の原因になります。

外耳炎の原因の中では、細菌や真菌による感染と並んでうさぎの外耳炎の原因に多いので、耳ダニ症になっているようならすぐに治療をしなければいけません。

細菌・真菌

うさぎが外耳炎を発症させる原因として耳ダニと並んで多いのが、細菌や真菌による感染です。真菌はあまり多くないのですが、細菌は特に外耳炎を発症させる原因になります。

細菌性の外耳炎になってしまった場合は、その細菌に効果のある抗生剤の投与と耳内の洗浄で治療するのですが、とても治りにくく治療期間が長くなってしまうことが多いため、うさぎにとっても飼い主にとっても負担が大きくなってしまいます。

異物の混入

何かの拍子にうさぎの耳にほこりやゴミなどの異物が入ってしまうことがあります。小さなものなど大したことのないものなら、毛づくろいや自然に出ることがあるので問題はありませんが、大きいものや自然には出にくいものが入ってしまうと外耳道が反応して炎症が起きてしまいます。

炎症が起きた結果外耳炎を発症してしまいます。何かが入ってしまった時はすぐに動物病院でとってもらいましょう。

外傷

うさぎどうしの喧嘩や何かに耳をぶつけてしまった時にできる外傷が外耳炎の原因になってしまうこともあります。傷口がかさぶたになった時のかゆみや治りかけのかゆみで引っ掻いてしまったり、傷口から細菌が侵入して感染することが主な理由です。

うさぎの耳に傷ができてしまった時は、すぐに動物病院で手当てと消毒をしてもらいましょう。

飼い主が行う耳掃除

うさぎの耳に汚れや耳垢が溜まっているのを見て、飼い主が耳掃除をすることも外耳炎の原因になってしまうことがあります。
うさぎの耳掃除は難しいため、素人がやると外耳道に傷をつけてしまったり、取ろうとした耳垢を反対に耳の奥に押し込んでしまうことがあります。この傷や押し込む行為がうさぎに外耳炎を発症させてしまう原因になります。

うさぎの耳の穴は鼓膜、中耳、内耳を挟んですぐのところに大切な脳があり、綿棒や耳かきを入れるのはとても危険なので素人はできるだけやらないようにしましょう。

うさぎが外耳炎になることでこんな病気が併発することも

外耳炎を併発させる病気

耳ダニ症

耳ダニ症とは、耳ダニと呼ばれる寄生虫がうさぎの耳に寄生して耳の中で繁殖することで、かゆみや大量の耳垢が出るなどの辛い症状を引き起こしてしまう病気のことです。

耳ダニ症の原因でもある耳ダニが耳の中で繁殖してしまい、細菌感染したり、ひどいかゆみから引っ掻いてしまうことで耳に炎症が起きて外耳炎を併発してしまいます。

外耳炎で併発する病気

・中耳炎
・内耳炎
・耳血腫

中耳炎

中耳炎とは、うさぎの耳の中の中耳と呼ばれる場所が炎症を起こしてしまう病気のことです。
中耳は外耳道と鼓膜を挟んだすぐ近くにあるので、炎症が広がってしまうことで中耳炎を併発してしまうことがあります。反対に中耳炎から外耳炎になってしまうこともあります。

中耳炎についてはこちらに記事で詳しくご紹介しているので、参考にしてみてください。

うさぎの中耳炎について

内耳炎

うさぎのかかる内耳炎とは、鼓膜の内側の大脳に近い位置にある耳の大切な内耳が炎症を起こしてしまう病気のことです。
外耳炎の炎症が中耳、内耳へと広がってしまうことで内耳炎は併発します。反対に内耳炎から外耳炎になってしまうこともあります。

耳血腫

うさぎのかかる血耳腫とは、外傷や病気による併発によって耳介を構成する皮膚と軟骨の間に血液や血液を多く含んだ分泌液が溜まってしまい耳が腫れてしまう病気のことです。

外耳炎によるかゆみの症状で何度も耳介を引っ掻いてしまうことで耳血腫を併発してしまうことがあります。

耳血腫についてはこちらの記事で詳しくご紹介しているので、参考にしてみてください。

うさぎの耳血腫について

うさぎの外耳炎を治療する方法

うさぎが外耳炎になってしまった場合の治療方法には2種類の方法があります。

・投薬治療
・耳内の洗浄

投薬治療は、原因が「細菌や真菌」による感染か、耳ダニなどの「寄生虫」による炎症なのかどうかで治療法が変わってきます。

投薬治療

細菌や真菌による感染の治療法

外耳炎を引き起こしている原因が、細菌や真菌による感染の場合は原因になっている菌を退治しなければいけないため、抗生物質や抗菌薬を含んだ点耳薬で治療します。また炎症も一緒に抑えるために抗炎症剤を投与することもあります。

細菌や真菌によって使用する薬が変わることがあるので、膿や耳垢を培養検査にかけることもあります。

耳ダニなどの寄生虫による炎症の治療法

外耳炎を引き起こしている原因が耳ダニなどの寄生虫の場合は、耳ダニを駆除する治療を行います。
安全なスポットタイプの殺ダニ剤を使用することが多く、耳ダニを駆除するまで続けます。

この薬は成虫のダニにしか効果がなく、卵だけ生き残ってしまうこともあるので再発を防ぐためにも3〜4ヶ月継続して治療することもあります。

耳内の洗浄

うさぎの耳の中に悪臭のする大量の耳垢や、膿が出ている時は耳内の洗浄を行います。耳内の洗浄方法はカテーテルを使用してうさぎの耳の中を洗浄液でいっぱいにし、浮いてきた耳垢を取り出します。膿が耳の中にへばりついてしまっている場合は水圧をあげて剥がすこともあります。

市販でもうさぎの耳用の洗浄液は売られていますが、使用後しっかり耳の中の洗浄液を乾燥させないと別の病気を引き起こす可能性があるので、病院でやってもらうようにしましょう。

治療期間

うさぎの外耳炎は、症状や原因にもよりますが治療期間がとても長くなる可能性のある病気です。短くても数週間、長い時だと半年以上も治療期間がかかってしまうことがあります。

時間も費用もかかるので、うさぎにとっても飼い主にとっても大変な病気ですが放っておくと内耳炎から斜頸や眼振などの神経症状を引き起こしてしまうこともあるため、根気強く治療を続けましょう。

治療費

・診察料
500円〜2000円

・処置料
500〜1000円

・内服薬
1000円〜3000円
(服用日数による)

・外用薬
1000円〜3000円

耳内の洗浄や病院によって使用する薬によっても治療費が異なることがあります。また、動物病院は自由診療なので病院によって治療費も変わるため、詳しくはかかりつけの動物病院に確認しておきましょう。

うさぎが外耳炎になることで残る後遺症

外耳炎は慢性化してしまうと治るまでにかなりの時間がかかってしまうことがあります。また、慢性化によって耳が大きく腫れてしまったり、皮膚がゴワゴワの状態になってしまうと元通りにはならないこともあります。

慢性化してしまう前に動物病院で投薬治療や耳内の洗浄をして、慢性化しないようにしなければいけません。

内耳炎まで悪化すると神経症状が出ることも

外耳炎による直接的な後遺症ではありませんが、外耳炎が中耳炎に、中耳炎が内耳炎にまで悪化すると、大脳の前庭という組織に支障をきたしてしまうことで「傾斜」や「眼振」などの神経症状を引き起こしてしまうことがあります。

特に傾斜は治りにくく、首がずっと傾いた状態になってしまうため食事をまともに食べれなくなってしまい栄養失調で死んでしまうこともあるので注意が必要です。

うさぎの外耳炎を予防する方法

・外耳炎の知識をつけておく
・耳の健康チェックをする
・生活環境を清潔に保つ
・爪切りをする
・耳ダニ症などの早期治療
・外傷に気をつける
・耳の中を清潔に保つ

外耳炎の知識をつけておく

事前にうさぎの外耳炎に関する知識をつけておくことで、病気の早期発見、早期治療が可能になります。外耳炎の症状に気づくのが遅れて、慢性化してしまうこともよくあるので、事前に外耳炎に関する知識をつけておきましょう。

耳の健康チェックをする

毎日掃除やご飯のお世話をしている時に、耳の健康チェックも一緒にするようにしましょう。健康チェックと言っても、うさぎの耳が腫れていないかを確認したあと中を覗いて、耳垢があるか、悪臭はするか、膿が出ていないか、などをチェックするだけで大丈夫です。

簡単にできることなので、しっかりやるようにしましょう。

生活環境を清潔に保つ

うさぎのケージや家が不衛生なままだと細菌に感染してしまう可能性が高くなってしまいます。エサ入れやトイレやケージの中など、しっかり掃除して清潔な環境で暮らせるようにしてあげましょう。

爪切りをする

外耳炎になっていなくてもうさぎは、普段から後ろ足で耳を掻く仕草をします。耳を掻いている時に爪が伸びていると、耳に傷ができてしまうので普段から爪切りはしておきましょう。

耳を掻くことでできる傷を減らすことで、外耳炎の予防にもつながります。

耳ダニ症などの早期治療

外耳炎の原因として耳ダニ症は、細菌感染と同じぐらい多い原因なので外耳炎を併発してしまう前に治療しなければいけません。耳ダニ症じたいも治療にかなり時間がかかってしまう病気ですが、外耳炎を併発してしまうとさらに治療期間が長くなってしまいます。

外傷に気をつける

うさぎどうしの喧嘩や家にある飛び出しているものでうさぎが耳に怪我をしてしまうことがあります。これらでできた傷からも細菌が感染してしまい、外耳炎を発症してしまうことがあるのでうさぎどうしで遊ばせる時や、怪我をしそうな危険なものは置かないようにしましょう。

また、怪我をしてしまった場合はすぐに動物病院で手当てと消毒をしてもらうことも病気の予防になります。

耳の中を清潔に保つ

外耳炎の予防として最も大切なことはうさぎの耳の中を清潔に保つことです。しかし、外耳炎を予防するために清潔に保つことは大切ですが、うさぎの耳掃除をするわけではありません。

耳掃除は外耳道を傷つけてしまったり耳垢をさらに奥に押し込んでしまう可能性があるので、慣れていない人は基本的にはやってはいけません。
綿棒などで耳掃除をするのではなく、コットンや脱脂綿にベビーオイルを含ませて耳介から耳の入り口付近を優しくふき取る程度にしておきましょう。

耳の中を覗いて、耳垢が大量にあるようならペットショップやブリーダーや動物病院で耳掃除をしてもらいましょう。

Q&A

動物病院で外耳炎用の薬を数日分処方されたあと、何も言われない時はそのままでいいのでしょうか?

うさぎの外耳炎が数日の薬の服用で完治することはほとんどありません。ただし細菌性の外耳炎の場合、どの抗生物質がその細菌に効果的なのかがわからない場合があるため、とりあえず数日分を処方して様子を見ることがあります。

処方された薬をしっかり服用するようにして、薬がなくなったあともう一度病院に行って外耳炎の経過を見てもらいましょう。

外耳炎と似た症状の病気はありますか?

・耳ダニ症
・中耳炎
・耳の怪我
・耳血腫

などの耳に症状が出る病気だと似たような症状が出ることがあります。また、外耳炎の症状でも出る「後ろ足で耳を掻く」や「頭を振る」しぐさは病気じゃない時でもよくするしぐさのため、見極めが少し難しいのでしっかり観察しましょう。

品種によって外耳炎になりやすいうさぎはいますか?

・ホーランドロップ
・アメリカンファジーロップ
・イングリッシュロップ
・ライオンロップ
・フレンチロップ
・ミニウサギ(個体による)
・ミニロップ

これらのロップイヤー種と呼ばれるタレ耳のうさぎは、中が蒸れやすいので細菌も繁殖しやすく、外耳炎になりやすいので注意が必要です。

ポイント

うさぎの外耳炎は慢性化してしまうと治療にも時間がかかり、その間に他の中耳炎や内耳炎などの他の病気を併発してしまうことがあるとてもやっかいな耳の病気です。

危険な病気を併発しない限り命に関わるような病気ではありませんが、なってしまうとうさぎにとっても飼い主にとっても大変な病気なので、普段から耳を清潔に保って予防することを心がけましょう。