眼球が飛び出てしまう犬の目の病気「眼球脱出」について

眼球脱出とは名前の通り、眼球がまぶたから飛び出してしまう病気のことをいいます。主に犬の頭部への衝撃が原因となって眼球が外へ飛び出し、眼球が乾燥したり、強い痛みが出るようになります。症状が悪化すると眼球の細胞が壊死して失明することもあります。治療には眼球の位置を元に戻す手術がおこなわれますが、すでに失明していたり、眼球の状態がひどい場合には眼球の摘出手術がおこなわれます。

目次

犬の眼球脱出とは

眼球脱出とは、眼球がまぶたの外に飛び出した状態をいいます。
主にケンカや事故などによって、頭部に衝撃を受けることで眼球が飛び出してしまいます。

眼球が外に飛び出している状態は非常に危険で、傷つきやすく、炎症を起こしたり、眼球が壊死して失明する可能性もあります。

緊急を要する状態のため、濡らしたタオルなどで目を保護しながら動物病院で治療を受ける必要があります。

犬の眼球脱出の症状

・眼球がまぶたから飛びでる
・強い痛みがでる
・眼球が乾燥する
・眼球が充血する
・眼球の壊死
・視力の低下
・失明する

眼球がまぶたから飛びでる、強い痛みがでる

眼球脱出を引き起こすとまぶたから眼球が飛び出します。
眼球が痛々しく丸ごと全て外に出る場合もありますが、まぶたからほんのすこし前に飛び出ているような状態が多いです。

眼球が飛び出すことによって強い痛みをともなうようになります。

眼球が乾燥する、眼球が充血する、眼球の壊死

眼球が飛び出すことで空気にふれてしまうため、乾燥するようになってしまいます。

そのため炎症を引き起こし白目が真っ赤に充血したり、症状が悪化すると化膿して組織が壊死してしまうことがあります。

視力の低下、失明する

眼球が化膿し、組織が壊死することで失明することがあります。

また眼球が飛び出た状態は、眼球からつながる視神経も前に引っ張られているためダメージを受けてしまい、視力が低下してしまったり、失明することもあります。

犬の眼球脱出から併発する病気

犬の角膜炎

角膜炎とは、犬の眼球の前面を覆っている透明の膜「角膜」が傷や異物、細菌やウイルスの感染によって炎症が起きる病気です。

角膜に炎症が起きることで痛みが出たり、痛みによって目がショボショボしたり開かなくなることもあり、目が充血したり、目の表面が白くみえることもあります。

眼球脱出によって眼球が飛び出ることで炎症を起こし、角膜に穴が開く潰瘍ができることがあります。

視力の低下や失明にもつながる犬の目の病気「角膜炎」について|HANEY [ハニー]
角膜炎とは目の表面にある角膜に炎症が起きる病気です。原因は主に外傷やウイルス、細菌、基礎疾患からの併発などがあり、発症することで強い痛みをともないます。また目の充血や白くにごるなどの症状が見られることもあり、重症化すると失明する可能性もあります。軽度であれば対症療法として目薬を使用することで自然治癒していきますが、重度の場合は手術が必要となります。このまとめでは犬の角膜炎についてご紹介いたします。

犬のドライアイ

ドライアイとは、目の表面が乾くことによって角膜や結膜に炎症が起きる病気のことで、正式には「乾性角結膜炎(かんせいかくけつまくえん)」と呼ばれています。

目の表面が乾くことで角膜や結膜に傷がつき、炎症を引き起こします。

眼球脱出によって眼球が飛び出ることで、空気にふれる面積が増えるため発症します。

目が乾燥してしまう犬の目の病気「ドライアイ」について|HANEY [ハニー]
ドライアイとは目の表面が乾いてしまう病気のことです。目の表面が乾くことで角膜や網膜が炎症を起こし、目の痛み、かゆみなどの症状を引き起こします。原因は基礎疾患や怪我、遺伝などさまざまで、治療には目薬、軟膏などの薬を使用します。また症状が重度の場合には、外科手術をおこなうこともあります。このまとめでは犬のドライアイについてご紹介いたします。

犬の眼球脱出の原因

・頭部への衝撃
・腫瘍

頭部への衝撃

犬の頭部への衝撃が原因となって眼球脱出を引き起こすことがあります。
主に犬同士のケンカによって顔を噛まれることによる衝撃や、自動車や自転車との接触事故、高い場所からの落下などが原因となることなります。

また犬によっては眼球が飛び出しやすく、ちょっとした衝撃で眼球脱出を引き起こすことがあります。

そのため飼い主がしつけやいたずらなどで、犬の頭を叩いたことが原因で眼球が飛び出すという話も珍しくありません。

腫瘍

眼球脱出は眼球にできる腫瘍、または副鼻腔にできる腫瘍が原因となることもあります。

眼球や、視神経などの眼球関連の組織に腫瘍が発生することで眼球が押し出されてしまいます。

眼球脱出になりやすい犬種

目が大きく、眼球が露出している面積がもともと大きい犬種や短頭種などは目の構造上、眼球脱出を引き起こしやすいといわれています。

眼球脱出の好発犬種
・チワワ
・パグ
・シー・ズー
・フレンチ・ブルドッグ
・ボストン・テリア
・チン
・ペキニーズ

犬の眼球脱出の治療法

・眼球の修復手術
・眼球の摘出手術
・腫瘍の治療

眼球の修復手術

眼球脱出の症状が比較的軽い場合は、飛び出した眼球を元に戻す手術をおこないます。

まず洗浄を行い、まぶたを手前に引っ張って飛び出した眼球を元の位置に押し戻します。
手術後は再発防止と角膜の保護のためにまぶたを縫い合わせて開かない状態にします。

また腫れやむくみがひどく、元の位置に押し戻すことが難しい場合はまぶたの一部を切開して眼球の修復手術をおこないます。

治療をおこなった目はしばらくの間斜視になることがありますが、時間が経過するにつれて回復することもあります。

眼球の摘出手術

眼球脱出の症状が重度で視神系がダメージを受けて失明している場合や、壊死しているなど眼球の状態が著しく悪い場合は眼球の摘出手術をおこないます。

腫瘍の治療

腫瘍が原因で眼球脱出が発症している場合は、まず腫瘍に対する治療が必要となります。

外科手術による腫瘍の切除や抗がん剤療法、放射線療法などを腫瘍の種類に合わせておこなっていきます。

犬の眼球脱出の予防法

・事故を予防する
・頭部へ衝撃を与えない

事故を予防する

眼球脱出を防止するためには、その原因となる事故を予防する必要があります。

散歩中、急に自転車や自動車に反応して走ってしまったり、うっかり手を離してしまうことで事故が起こることがあります。

「待て」「お座り」「伏せ」などのしつけを覚えさせていつでも静止できるようにしておいたり、犬を飼い主の横について歩かせるヒールウォークを覚えさせておくと事故の予防につながります。

また好奇心旺盛で危機を察知する能力が十分でない子犬は特に事故に遭いやすいです。
室内でも浴槽から落下して怪我をすることなどもあるので、危ない場所は扉を閉めるなどして近づけないようにしておきましょう。

頭部へ衝撃を与えない

冗談やしつけなどで犬の頭部に衝撃を与えないようにしましょう。
犬の頭部への衝撃は非常に危険です。

特に短頭種や目の大きな犬はちょっとした衝撃だけでも眼球脱出を引き起こす可能性があるので、十分に注意しましょう。

Q&A

眼球脱出による後遺症はありますか?

眼球の修復手術をおこない、失明を防ぐことができた場合でも、角膜や視神系が負傷していると視力障害が残ってしまうことも少なくありません。

また眼球の修復手術によって目の向きが内側や外側,あるいは上下に傾いてしまう「斜視(しゃし)」という状態になることがあります。
斜視は見た目以外に影響はなく、時間の経過によって改善されることもあります。

ポイント

犬によってはちょっとした衝撃で眼球脱出を引き起こすこともあります。
そのため頭部への衝撃は普段から十分に注意しておきましょう。
また症状が出た場合はできるだけ早期に治療することで治療後の状態が良くなります。そのため眼球が飛び出している場合はできるだけすぐに治療を受けさせましょう。

また目の飛び出し具合によっては、前から見ただけではわからないこともあるので普段から犬の状態をしっかり観察する習慣をつけることが大切です。