股関節の骨が壊死する犬の病気「レッグパーセス病」について

犬のレッグパーセス病とは太ももの骨である大腿骨の骨頭に血液が廻らなくなり壊死してしまう病気です。原因は不明ですが、遺伝による要因が大きく、10キロ未満の小型犬に多く発症します。発症することで強い痛みが出たり、骨が変形して歩行が困難になります。治療では状態に応じて、鎮痛剤を使用した経過観察や人工の関節を取り付ける外科手術を行います。手術後はリハビリが必要になり、何らかの後遺症が残ることもあります。

目次

犬のレッグパーセス病とは

レッグパーセス病とは股関節を作っている「大腿骨頭(だいたいこっとう)」が壊死してしまう病気のことです。
そのため「大腿骨骨頭壊死症(だいたいこつこっとうえししょう)」ともいい、レッグペルテス病と呼ばれることもあります。

小型犬に多く発症する病気で、何らかの原因によって大腿骨頭に血液が流れなくなることが原因で発症します。
レッグパーセス病を引き起こすと歩行障害や、強い痛みが出るなどの症状があらわれ、一度壊れてしまった骨は元に戻ることがないため、何らかの後遺症が残ってしまう場合もあります。

大腿骨頭について

大腿骨頭とは太ももの骨である大腿骨の上端にあり、股関節の一部となっている部位です。
骨盤には「寛骨臼」というくぼみがあり、その部分に大腿骨頭がはまることで股関節を形成しています。

犬のレッグパーセス病の症状

・骨の組織が壊死する
・強い痛みが出る
・歩き方に異変が起きる

骨の組織が壊死する

大腿骨頭に血液が流れなくなることで骨の組織が壊死してしまいます。
しかし、壊死しても痛みが出ることはなく、その後、骨が変形するまで症状があらわれないため発見が遅れてしまうことがあります。

基本的に両足に症状が出ることは稀で、片方の足だけに発症します。

強い痛みが出る

大腿骨頭が壊死して、衝撃や体重によって骨がつぶれることで痛みが出るようになります。
強い痛みによって元気がなくなったり、触られることを嫌がるようになり、ひどい場合は動くことができなくなることもあります。

歩き方に異変が起きる

レッグパーセス病によって壊死した骨が変形することで歩き方に異変が出ます。
足を地面につけずにかばうような歩き方をしたり、歩く速度が遅くなります。

また、ひどくなると足を引きずって歩くこともあります。

犬のレッグパーセス病の原因

レッグパーセス病は大腿骨頭に血液が流れなくなることで発症します。
主に遺伝、外傷、炎症、栄養不足、ホルモン異常、循環器の異常などが関係していると考えられていますが、詳しい原因はわかっていません。

主に体重が10㎏未満の小型犬で好発する病気で、生後4ヵ月から1年未満の犬に多く発症します。

発症しやすい犬種

レッグパーセス病の原因ははっきりとわかっていませんが、遺伝性によるものが多いと言われており、特定の犬種に多く発症します。

好発犬種
・トイ・プードル
・パグ
・ミニチュア・ピンシャー
・ミニチュア・シュナウザー
・ヨークシャ・テリア
・ウェスト・ハイランド・ホワイト・テリア
・ケアーン・テリア
・マンチェスター・テリア
・レイクランド・テリア
など。

犬のレッグパーセス病の検査法、治療法

レッグパーセス病の検査方法
・レントゲン検査

レッグパーセス病の治療方法
・経過観察
・外科手術

検査方法

レッグパーセス病はレントゲン撮影を行うことで、関節の変形があるかどうかを調べて診断します。しかし症状が初期の場合は変形がほとんど見られないこともあり、判断が難しいケースも多いです。

経過観察

検査によって大腿骨頭がそれほど変形していなかったり症状が軽度な場合は、鎮痛剤を投与して経過観察を行います。
運動制限を行い、安静に過ごさせます。

経過観察は半年以上必要になり、病気の進行を抑えることはできないため、その後、獣医師と相談して手術を行うかどうかを検討していくことになります。

外科手術

大腿骨頭の壊死の状態がひどい場合や、骨の変形が重度な場合は外科手術による治療を行います。

手術では関節を切り開いて壊死している骨頭の部分を切除し、切り取った場所に人工の関節を取り付けます。
手術することで歩行の障害が残るため、手術後には長期のリハビリが必要となります。

手術後のリハビリ

手術後はリハビリを行い、運動機能を回復させていきます。
リハビリには病院でマッサージを受けたり、関節の運動、プールを歩く水中トレッドミルなどさまざまな方法があります。

何らかの後遺症が残ってしまうことが多く、レッグパーセス病を発症する以前の状態に戻すことは出来ませんが、走れるようにまで回復できることもあります。

動画では水中トレッドミルのリハビリを行っています。

犬のレッグパーセス病の予防法

レッグパーセス病は原因がはっきりとわかっていないため予防することができません。
また遺伝による要因が大きいため、この病気を発症した犬の繁殖を行わないようにすることが予防につながります。

Q&A

レッグパーセス病を発症するとどのような後遺症が残りますか?

症状の具合にもよりますが、手術を受けて治療を行うことで、歩き方がぎこちなくなる、歩く速度が遅くなる、上手に走れないなどの後遺症が残ることがあります。

また手術後は筋肉が硬くなったり、膝までの足の筋肉が強ばっているような状態が見られることもありますが、リハビリを行うことである程度改善されます。

ポイント

レッグパーセス病は予防法がなく、初期ではあまり症状が出ないこともあるため発見が遅れて重症化してしまうこともある病気です。また早期に発見できた場合はなるべく安静に過ごさせることで悪化することを防ぎ、経過観察を続けることになりますが、治療には外科手術が必要となります。さらに手術後は長いリバビリが必要となり、後遺症が残ってしまうことも少なくありません。

そのため飼い主は少しでも犬が良い状態で居られるように負担を軽減してあげたり、少しでも早く元の状態に戻れるように根気強くリハビリに取り組むことが大切となります。