犬が人の手や腕、足などを舐める意味は?犬が手足を舐める理由や注意点について

犬と触れ合うと手や腕、足などを舐められることがあります。こうした行動は犬が自分に興味を持っていたり、コミュニケーションを取ろうとしているのだと思う人も多いと思われますが、じつは相手を相手を少し警戒していたり、怖がっている場合でも見られることがあります。そのため、犬と仲良く触れ合うためには犬の様子を見て、気持ちを理解してあげることが大切です。ここでは犬が手足を舐める意味や注意点などをご紹介します。

目次

犬がいろいろなものを舐めるのはどうして?

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犬にはいろいろなものを舐めようとする習性があります。それはほかの犬や人間であったり、家具やおもちゃなどの物、自分の体などさまざまです。
これらは愛情表現や何らかの要求のあらわれであったり、病気やストレスのサインという場合もあり、舐める相手や場所によって大きく意味が異なります。

自分を舐める

犬はグルーミングと言って、自分の被毛のお手入れをするときに自分の体を舐めることがあります。ほかにも病気で弱っていたり、どこかを怪我しているときなど健康状態が思わしくないときに患部を舐めることがあります。

また、強いストレスを感じているときに自分の体を舐めることで気を紛らわせていることもあります。

相手を舐める

犬は飼い主さんや家族、よその犬などを舐めることがあります。
犬がどういったときにどの部分を舐めるかによって意味は異なりますが、主に愛情表現として相手を舐めます。
これは犬の祖先であると考えられているオオカミが、目上の相手に敬意や愛情を示すときに舐める行動をとることの名残だと考えられています。

また、舐めるという行動は相手への挨拶や謝罪などといったコミュニケーションの一環としても行われることがあります。

おもちゃや家具を舐める

犬は興味を示すといろいろなもののにおいを嗅ごうとしますが、嗅覚だけでなく、舐めることによって物を確認する習性もあります。
そのため好奇心から楽しむために何かを舐めることがあります。

犬が人の手や腕を舐める理由

犬を飼っている人や犬を飼っている人の家へ行ったことのある人は飼い犬に舐められたことがあると思います。
犬はよく人の手や足を舐めようとしますが、舐める場所や舐め方によってさまざまな理由があると言われています。

挨拶や愛情表現

犬は飼い主さんや家族への挨拶や軽い愛情表現として手や腕を舐めることがあります。主にどこかへ出かけていて家に帰ったときや、朝起きたときなどに手を軽くペロリと舐めて挨拶をします。

ほかにも外から訪ねてきた人や初めて会う人にも、手や腕を舐めることで挨拶をします。同じように愛情表現や挨拶として口元を舐めることがありますが、そう言った場合よりも手や腕を舐めるときのほうが軽いものであると言えるでしょう。

様子をうかがっている

外から人が訪ねてきたときや、知らない人と出会ったときに犬は手を舐めることがあります。これは軽い挨拶であると同時に相手の様子をうかがっていると言われています。

そのため、まだそれほど心を許しておらず少し警戒している場合もあるので、犬が嫌がらないように優しく撫でたり声をかけるなどして仲良くなりましょう。

嫌がっている

犬は知らない人やそれほど仲良くない人に急に撫でられたり抱っこされたりすると、犬に触れている手を舐めることがあります。
「手を舐めているから自分とコミュニケーションを取ろうとしている」と思うかもしれませんが、実はやめてほしいという気持ちをあらわす場合にも手を舐めることがあります。

人見知りで臆病な性格の犬に対して、急に頭から撫でたり、強引に抱きかかえるような行動を取ると嫌がることがあるので、犬の様子から察してあげましょう。

遊んでもらおうと思っている

犬は遊んでほしいときや、かまってもらおうと思っているときにも手や腕を舐めることがあります。
人懐っこく、甘えん坊な性格の犬に多く見られ、手を舐めるなど挨拶に行くと遊んでくれたり、可愛がってくれることを犬はわかっているのかもしれません。

手に食べ物の匂いがついている

素手で何か食べ物を触ったり食べた場合、手についた食べ物の匂いにつられて手をペロペロと舐めることがあります。
犬は食いしん坊な動物なので、フライドポテトやスナック菓子などを素手で触ると手に塩やお菓子のカスがつくことがあるので、それを味わいたくて手を舐めようとします。

不安を感じている

犬は何らかの不安を感じていると、気持ちを落ち着かせるために手や腕などを頻繁に舐めようとすることがあります。
例えば留守番していた犬が帰ってきた飼い主さんの手を頻繁に舐めるという場合は、不安を解消して落ち着こうという心境のあらわれだと考えられています。

また、イタズラをして叱られたときなどに「ごめんなさい」という気持ちのあらわれでもあり、同時に安心感を得ようとして手を舐めてくることがあります。

犬が人の足を舐める理由

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手や腕と同様に犬は人の足を舐めることがあり、仕草やそのときの状況によってさまざまな理由があります。

愛情表現や挨拶

手や腕を舐める場合と同様に、犬は愛情表現や挨拶として足を舐めることがあります。飼い主さんが家に帰ったときや、朝起きたときなどに手を軽くペロリと舐めて挨拶をします。また、知らない人が家に訪ねてきたときなどにも見られます。

この場合、基本的に手や腕を舐める場合と同じですが、低い位置にあって犬にとって一番舐めやすい部分が足になるため、足を舐めようとするのだと思われます。特に立って歩いていたり、移動中などは足以外舐められないので、こうした行動が多く見られるようになります。

散歩へ行きたい

足を舐めるという行為は、散歩に行きたいときや遊んで欲しいときなどに多く見られると言われています。
立っている飼い主さんに対して散歩や遊びのおねだりをするために足を舐めようとしています。

においに惹かれている

犬は強いにおいを好む動物です。人間にとっては嫌なにおいでも犬にとっては好きなにおいである場合があります。
そのため、汗や脂分が多く付着している靴下や、靴や靴下によって蒸れた足などを好む犬は多く、一生懸命においを嗅いだりペロペロと舐めようとすることがあります。

靴下が好きな犬が多いのもこれに関係しており、大好きなにおいがよく染み付いている靴下を持ち帰って隠そうとすることがあります。

落ち着こうとしている

手や腕を舐めるときと同じで、不安を感じているときに落ち着こうとして繰り返し足を舐める場合があります。
あまりにも頻繁に舐める場合は強いストレスや不安を抱えている可能性があるので、普段過ごしている環境も含めて見直してみましょう。

繰り返し舐め続ける場合

あまりにもしつこく手や足を舐めてくる場合は、強いストレスが原因で強迫性異常症を引き起こしている可能性があります。

強迫性異常症について

強迫性異常症とは強い不安や恐怖、欲求不満などのストレスが原因で異常行動を繰り返してしまう状態を言います。
人の手や足を舐めるという自然な行動でも、必要以上に舐め続けてしまうような場合は異常行動とされ、強いストレスが原因となっている可能性があります。

犬が何か強い恐怖や不安を感じている、暴力を振るった、あるいは虐待された経験がある、散歩や運動、コミュニケーションが極端に不足している場合などは強迫性異常症を引き起こす恐れがあるので注意しましょう。

分離不安症

犬が主と離れたときに不安からさまざまな問題行動を引き起こすことです。
主に、四六時中犬と一緒にいて可愛がるなど必要以上にかまったり、いきすぎたコミュニケーションを取っていると分離不安を引き起こすことがあります。

分離不安を引き起こすと犬は飼い主さんと離れることを不安に思うようになるため、家の中をどこまでもついて回ったり、飼い主さんの手や足を繰り返し舐めてコミュニケーションを取ろうとすることがあります。
この状態になると飼い主さんと離れることで強い恐怖心や不安から物を壊す、粗相をする、吠え続けるなどの問題行動を引き起こすようになり、強迫性異常症を引き起こし自分の体を舐める、または噛むなどの自傷行為を引き起こすようになります。

犬に舐められたときの注意点

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犬の病気の中には、犬だけではなく人にも感染する人獣共通感染症(じんじゅうきょうつうかんせんしょう)というものがあります。
手や足をケガしている場合などは、傷口を舐められることで菌が感染する可能性があるので、犬が何らかの感染症を患っている可能性がある場合は注意しましょう。

破傷風

「破傷風菌」が感染することで発症する病気で、犬が感染することで顔や体の筋肉の痙攣、全身が麻痺するなどの症状があらわれ、悪化すると呼吸困難を引き起こし死ぬこともあります。

人が発症すると舌のもつれ、顔のゆがみや肩こりなどが出るようになり、筋肉が緊張、硬直して口が開かないなどの症状があらわれます。症状が進むと顔の筋肉が麻痺してしまい、「破傷風顔貌」といってまるで笑っているかのような顔になり、さらに悪化することで呼吸器が痙攣し呼吸困難を引き起こしてしまいます。

主に感染している動物に噛まれたり、傷口を舐められることが原因で菌が体内に侵入するため、手足に傷口がある場合や、犬が破傷風を発症している場合は注意しましょう。

パスツレラ症

人畜共通感染症の一つで、パスツレラ菌が感染すると発症する病気です。パスツレラ菌は犬のおよそ75%が保菌していると言われており、犬はパスツレラ菌に感染していても特に症状が出ることはありません。

しかし、人間に感染することで、呼吸器疾患や外耳炎、骨髄炎、敗血症など重度な感染症状を引き起こし、死に至る場合もあります。
菌を保菌している犬に傷口を舐められることで感染する場合があるので、赤ちゃんや高齢者、免疫力が下がる病気を患っている人は特に注意が必要です。

レプトスピラ症

レプトスピラ菌が感染することで発症する病気です。レプトスピラ菌にはいくつか種類があり、高熱や出血、腎炎や口内炎など感染した菌の種類によって発生状況が異なります。感染経路は主にネズミの尿と言われており、潜伏期間を経て人に発症することもあります。

人がレストスピラ菌が感染すると3日〜3週間の潜伏期間の後、頭痛、発熱、腹痛、吐き気、嘔吐、体の痛みがあらわれて皮膚に発疹があらわれることもあります。その後、黄疸によって体が黄色くなったり、臓器に異常があらわれて死に至ることもあります。

犬が感染している場合、傷口から菌が入ることで感染してしまうことがあるので注意しましょう。

ポイント

多くの場合、犬は軽い挨拶や愛情表現として人の手や腕、足を舐めます。そのため、攻撃的な意味はなく、ほとんどの場合相手とコミュニケーションを取ろうとしているときに見られます。

しかし、よその犬であればまだ相手のことを警戒していたり怖いと思っている可能性もあるので、いきなり頭を撫でるようなことはせず少しずつ触れ合いましょう。ときには撫でられたり抱きかかえられるのが嫌で舐めている場合もあるので、まずは犬の様子を見て怖がっていたり嫌がっていないか確認してあげることが大切です。