犬が歯をカチカチ鳴らすのはなぜ?前歯を鳴らすのはストレスや病気が原因の可能性も

ときどき犬は小刻みに口をパクパクさせたり、歯をカチカチと鳴らすことがあります。こうした行動にはいろいろな意味がありますが、主にカーミングシグナルと呼ばれる行動で、自分を落ち着けたり、相手をなだめる役割があります。しかし、頻繁に歯を鳴らしているような場合はストレスや、何らかの病気が原因となっている可能性もあるので注意しなければなりません。ここでは犬が歯を鳴らす理由をご紹介します。

目次

犬が歯をカチカチと鳴らす

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犬は口や顎をパクパクさせて小刻みに動かしたり、歯をカチカチと鳴らすことがあります。まるで歯ぎしりをしているようにも見えるこうした行動にはどのような意味があるのでしょうか。

カーミングシグナル

「カーミングシグナル(CalmingSignal)」とは、人でいうところの「ボディーランゲージ」のようなもので、犬はいろいろな動作や行動で自分の気持ちを落ち着かせたり、相手に気持ちを伝えようとすることがあります。尻尾を振ったり、目線をそらす、わざとあくびやくしゃみをすることなどもこの一つです。

犬が歯をカチカチと鳴らすのにはいろいろな原因がありますが、犬はカーミングシグナルとしてこうした仕草を取る場合があります。

犬が歯をカチカチ鳴らす理由

犬はいろいろな理由で歯をカチカチと鳴らします。これはカーミングシグナルとして相手に何かを伝えたり、自分を落ち着かせるためにとることがありますが、ときには歯が原因となっている場合もあります。

興奮している

犬は興奮したときに歯を鳴らします。
遊んでいるときや、おやつを見せたとき、散歩に出かける前など何らかの理由で興奮したときに、歯を鳴らすことで自分の感情を落ち着かせようとしています。

相手をなだめようとしている

敵意がないということをアピールするために歯を鳴らすことがあります。主によその犬と出会って吠えられたときなどに見られ、相手とケンカしたくないときに歯を鳴らすことで「争う気はないよ」と相手をなだめようとしています。

このように相手をなだめようとするカーミングシグナルはほかにもいくつかあり、まばたきをして目をショボショボとさせたり、耳を伏せるなどの行動を取ることもあります。

発情期

犬は発情期のストレスが原因で歯を鳴らすことがあります。
犬の発情期は生後およそ7〜8ヶ月ほどで始まり、メス犬は小型犬の場合年に2〜3回、大型犬の場合は1〜2回ほど発情期がおとずれます。

オス犬の場合は明確な発情期がありませんが、メス犬のフェロモンを感じ取ると子孫を残そうと発情することがあります。
発情すると犬は興奮してストレスを感じてしまい、落ち着きがなくなります。そのため、歯をカチカチと鳴らすことで自分を落ち着けてストレスを軽減しようとしています。

不安を感じている

歯を鳴らす行動にはストレス抑えようとする意味があるため、犬は不安を感じると歯をカチカチと鳴らして自分を落ち着けようとします。
主に、怖い音を聞いたときや飼い主さんとのコミュニケーションが不足しているとき、何らかの理由で生活環境が変化した場合などに不安やストレスから歯を鳴らすようになるので、その場合は注意が必要です。

分離不安

主と離れたときに犬が強い不安を感じる状態のことを言います。
そのため、強い不安から歯をカチカチと鳴らしてしまうことがあります。分離不安を発症すると留守番中などに家のものを壊したり、過剰に吠える、普段は失敗しないトイレに失敗してしまうなど、一人になったときに問題行動を引き起こすようになり、家の中でずっとついてくる、留守番をすると30分以内に鳴き続けたり、問題行動を引き起こす場合は分離不安を引き起こしている可能性があります。

主に、留守番中など飼い主さんがいない状況で怖い経験をした場合や、犬を必要以上に可愛がるなど過度なスキンシップを取っていることが分離不安を引き起こす原因となります。また、子犬の頃から一緒の布団で寝たり、毎日一緒に食事を取るなども分離不安症を引き起こす原因になると言われています。

歯が生え変わっている

歯が乳歯から永久歯に生え変わる時期にも歯を鳴らすことがあります。
犬は生後2〜3週間くらいに乳歯が生え始め、生後5ヶ月頃に永久歯へと生え変わり始めます。

この歯が生え変わる時期は、歯茎がムズムズしたり痒かったりするため、歯を鳴らして紛らわそうとすることがあります。
そのため、子犬が歯を鳴らしている場合は歯の生え変わりが原因である可能性が高いです。

噛み合わせが悪い

歯の噛み合わせが悪い場合にも歯をカチカチと鳴らすことがあります。
犬の歯が正常に噛み合わない状態を「不正咬合(ふせいこうごう)」と言い、上下の歯の位置が正常な位置にない場合に発生します。

下顎よりも上顎が長い「オーバーショット」、上顎よりも下顎が長い「アンダーショット」、左右の歯が異なる角度で生えている「ライバイト」、歯が生える角度に異常があって突き出たようになる「クロスバイト」などのさまざまな種類があり、噛み合わせが悪いことによって歯が口腔内に当たることで傷がついてしまったり、歯周病を引き起こしたりすることがあります。

不正咬合の原因ははっきりと解明されていませんが、以下の犬種に多く発症します。

・ブルドッグ
・ペキニーズ
・パグ
・ボストン・テリア
・フレンチ・ブルドッグ
・ボクサー

病気の可能性も

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頻繁にカチカチと歯を鳴らしている場合は、何らかの病気が原因となっている可能性があります。そのため、急に歯を鳴らすようになった場合は異常がないか確認しましょう。

歯周病

歯周病とは、細菌によって歯茎や歯の骨などが炎症を起こす病気のことです。
発症することで歯茎の腫れ、出血、きつい口臭などを引き起こし、歯がグラグラしたり、口の中に違和感が出るようになるため、カチカチと歯を鳴らすようになる場合があります。

悪化することで歯が抜けたり、血液を通じて細菌が広がり重い内臓疾患を引き起こすこともあるので注意しましょう。

ケンネルコフ

ケンネルコフは「伝染性気管支炎」とも呼ばれ、「犬パラインフルエンザウイルス」「犬アデノウイルス2型」などのウイルスや「気管支敗血症菌」のような細菌が感染することで発症する病気です。

特に犬パラインフルエンザウイルス、犬アデノウイルス2型が原因となることが多く、これらが感染した場合は重症化しやすいと言われています。
発症すると激しい咳が出るのが特徴で、重症化した場合は高熱が出たり膿のような鼻水が出て食欲が低下します。咳に伴って口をパクパクと動かすようになることがあるため、歯を鳴らすことがあります。

犬ジステンパー

犬ジステンパーウイルスによる感染症のことです。犬ジステンパーが発症すると元気が減り、発熱や食欲不振などの初期症状があらわれ、免疫力のある成犬ならば発症した場合でもその後2、3日ほどで治ります。

しかし免疫力のない子犬などは発症から1週間ほど経つと、犬ジステンパーウイルスが白血球の一種であるリンパ球を破壊しはじめるため、免疫力が下がり細菌による二次感染しやすいです。
悪化すると呼吸器に影響を及ぼすことで咳が出るようになるため、咳に伴って歯を鳴らす場合があります。

フィラリア症

寄生虫の一種である「フィラリア」が犬に感染することによって発症する病気のことです。
発症することで咳が出たりすぐに息切れをするようになり、急性の症状が出た場合は黄疸があらわれ、呼吸困難を引き起こします。運動後に咳が出ることが多く、同時に歯を鳴らす場合があります。

肺炎

肺炎とは、ウイルスや細菌、寄生虫などの感染によって肺が炎症を起こす病気のことです。
肺が炎症を起こすと正しく機能しなくなるため、咳や吐き気、呼吸困難などの症状が出はじめるようになります。

頻繁に咳をするようなるため、口をパクパクとさせることがあります。

肺水腫

肺水腫とは、何らかの原因によって肺の中の肺胞や気管支に水が溜まる病気のことを言います。
血液の液体成分が血管の外へ滲み出して肺の中や気管支に水が溜まり、それによって肺が正常に機能しなくなることで呼吸困難に陥ります。

肺水腫を発症すると咳が出るようになるため歯を鳴らすようになります。
また、症状が軽度な場合は運動後や興奮したときに咳が出て呼吸が苦しくなる程度で済みますが、症状が進行するにつれて、元気がなくなり運動することを嫌がるようになっていきます。

心臓病

咳が原因で口をパクパクさせたり、歯を鳴らしている場合は何らかの心臓病が原因となっている可能性もあります。
特定の心臓病を発症し、気管を圧迫すると咳が出るようになります。元気がなく運動をしたがらない場合や、急にいびきをかくようになった場合はなるべく病院で検査を受けさせるようにしましょう。

ポイント

このように犬が歯を鳴らすのにはさまざまな理由があります。多くの場合はカーミングシグナルで、興奮しているときや緊張や不安を感じているときに見られます。そのため、ときどきこのような行動が見られる場合は犬がストレスを感じていないか確認してあげましょう。

また、頻繁に歯を鳴らしている場合は歯に原因がある可能性があります。ほかにも病気によって呼吸器に影響が出ている場合にも口をパクパクとさせることがあるの注意が必要です。