犬が顎を乗せる意味は?犬が人の体に顎を乗せて寝る理由や気持ちについて

家の中でくつろいでいると、ときどき犬が人の体の上に顎を乗せてくることがあります。ほかにも顎を床につけて寝たり、テーブルの上に顎を乗せたりしますが、犬が顎を乗せるのにはきちんと理由があります。ほとんどの場合、犬が人の体の上に顎を乗せるのはスキンシップや愛情表現が理由ですが、ときにはやめさせなければならない場合があります。ここでは犬がいろいろなものに顎を乗せる意味や気持ち、注意点などをご紹介します。

目次

犬の顎を乗せる行動

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犬には共通して見られるいろいろな仕草があります。人間にとってはその意図がわかりづらいものも多いですが、それらにはきちんと理由があります。
そのため、犬が人やいろいろなものに顎を乗せるという行動にも何らかの意味があります。

カーミングシグナル

犬がとる生理的な行動のことを言い、さまざまな仕草をとることで自分をリラックスさせたり、相手に自分の気持ちを伝えようとします。

これは人でいう「ボディーランゲージ」のようなもので、状況や気持ちによってさまざまな行動をとります。
顎を乗せるという行動もカーミングシグナルの一つなので、状況や犬の様子を注意深く見てその意味を読み取りましょう。

犬が顎を乗せる理由

犬の顎を乗せるという行動にはいろいろな意味があります。そのため、犬が顎を乗せてくる状況や犬との関係、何に顎を乗せているかなどを見て理由を特定しましょう。

甘えている

犬が人の体に顎を乗せるのは甘えようとする仕草の一つです。
動物が顎を乗せるのは無防備な状態を意味するため、飼い主さんや家族など信頼している人の体に顎を乗せます。顎を乗せることで相手とスキンシップをとって甘えようとしています。

犬は非常に社会的な特性を持っている動物なので、人に対しても自分からコミュニケーションをとろうとします。
特に犬は飼い主さんが大好きなので、自分から積極的に触れ合いたがります。

犬にとって飼い主さんは親であり、いつでも頼れるリーダーです。そのため、飼い主さんに甘えるという行為は信頼している相手へのコミュニケーションの一環でもあります。
愛犬がキラキラした瞳で飼い主さんを見つめている場合は甘えている証拠なので優しく撫でてあげましょう。

周囲を警戒している

犬はときどき顎を地面につけて寝そべることがあります。自分の顎を地面につけて寝ている姿は一見リラックスしているように見えますが、じつは周囲を気にしている状態です。

犬は地面から伝わる振動を顎の骨で感じ取ることができるため、誰かが近づくとすぐに気づくことができます。
顎を地面につけて寝ている犬の近くを歩いたときに、犬が気付いて起きてしまうことがありますが、これは地面から伝わる振動を感じ取っているからなのです。
そのため警戒心が強い性格の犬は必ず顎を地面につけた状態で寝ています。反対に犬は周囲が安全でリラックスしている状態になるとお腹を上に向けて寝そべります。

リラックスしている

犬が顎を人の上に乗せて寝ている場合は、非常に落ち着いている状態です。”甘えている”でも述べましたが、犬にとって相手に顎を乗せるという状態は非常に無防備な体勢となります。

また、”周囲を警戒している”でも述べたように、犬は地面に顎を置くことで自分に近づく動物の気配を感じ取ることができます。
しかし、人に顎を乗せている場合は振動から周囲の気配を感じ取ることができないので、周りから誰かが近づいてきても対処することができません。そのため、犬が顎を乗せて寝ている場合は相手を信頼し、周囲に敵がいないと思っている証拠で、非常にリラックスしている状態です。

かまってほしい

犬は退屈でかまって欲しかったり、遊んで欲しいときなどにも体に顎を乗せてくることがあります。主に、飼い主さんがテレビを見ていたり読書するときなど、何かほかの作業に集中しているとき見られます。

犬は飼い主さんが好きで、積極的に触れ合おうとする習性を持っています。
コミニュケーションが足りないと犬はストレスを溜め込んでしまい、問題行動を引き起こす原因にもなるので「最近構っていなかったな」という場合は少し時間をとって犬の相手をしてあげます。

おねだりしている

犬はおねだりをするときにも飼い主さんの体の上に顎を乗せてきます。
主におやつが欲しくて顎を乗せたり、前足でタッチしてきます。また、食事の量が足りていないときなどにもこうした行動が見られる場合があります。

ほかにも人間がご飯やおやつを食べている机の上に顎を乗せてくることがあります。
これも人が食べているご飯やおやつが欲しくておねだりしている状態です。人間用の食べ物は犬にとって悪影響を及ぼすものもあるので注意しましょう。

自分の方が上だと思っている

犬は自分の方が偉いと思っている場合にも飼い主さんや家族の体の上に顎を乗せてくることがあります。
この場合、甘えているときのような笑顔やキラキラした目は見られず、無表情です。また、撫でようとしたときや、撫でるのをやめたときなどに「ウゥ〜!」と唸り声をあげることがあります。

犬の祖先だと考えられているオオカミは、グループの間で誰が上位で下位なのかを決める「順位付け」を行います。
オオカミの群れの上下関係は厳しく、下位のオオカミは上位のオオカミに服従し、順位の高いオオカミは優先して食事をとることができるなどのルールがあります。

賛否両論ありますが、こうした順位付けは犬同士でも行われると言われており、家族である飼い主さんに対しても行う場合があります。
そのため、犬は自分より下だと思っている人や犬に対して、顎を乗せることで自分の方が上であるということをアピールしています。

分離不安

犬は主に甘えているときに顎を乗せますが、あまりにも頻繁に顎を乗せるなどの甘える行動をとる場合は分離不安の可能性があります。
分離不安とは、犬が飼い主さんと離れたときに強い不安を感じてしまいさまざまな問題行動を引き起こすことを言います。

分離不安を引き起こしている犬は飼い主さんと離れることに対する不安から、家の中をいつまでも付いて回るようになる、留守番中に吠え続けたり、物を壊す、トイレに失敗するなどの粗相を起こすようになります。

分離不安は犬への過度な愛情表現やコミュニティーションが原因となるため、犬をかまいすぎたり、必要以上に可愛がっている場合は注意しましょう。
また、留守番中に聞いたカミナリや花火の音など、飼い主さんがいない状況で経験した行為や出来事が原因となることもあります。

犬が顎を乗せてくるときの注意点

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犬が顎を乗せてくる姿は可愛らしいかもしれませんが、その理由によっては何らかの対策をとったり、可愛がるのをやめる必要があります。

おねだりしてくるときは気をつけよう

犬がおやつやご飯などをおねだりするために顎を乗せてくる場合は注意が必要です。
おやつを与えると犬はとても喜ぶかもしれませんが、顎を乗せればおやつがもらえるということを覚えてしまい、今後もしつこくおねだりしてくるようになる可能性があります。

また、要求されるたびにおやつを与えていると、犬は自分の要求はなんでも通ると勘違いしてしまい、顎を乗せたときにおやつをあげないと怒って吠えるなどの問題行動を引き起こす原因にもなります。犬との主従関係が崩れてしまう恐れもあるので、おねだりされたからといって毎回おやつを与えるのはやめましょう。

どうしてもおやつを与えたい場合はおやつを与える前に「おすわり」「まて」などの指示を守らせてからにします。
また、すでにしつこく要求してくるようになってしまった場合は無視して、おねだりをしてもおやつがもらえないということを理解させましょう。

順位付けを正しくする

犬が飼い主さんを従わせようとして顎を乗せるような場合は、順位付けを正しくしなければなりません。犬は自分の方が上だと思ってるということを聞かなくなったり、問題行動を引き起こす原因となります。
犬との正しい主従関係を築くためには、子犬の頃からしっかりしつけをします。日頃から犬が優位となるような行動を極力とらないようにしましょう。

主に、犬を体の上に乗せる、自分よりも高い位置に登らせる、前足を人の体にかけさせる、人間と同じ寝床で寝る、犬にねだられて食べ物を与える、ソファーやベッドなどの場所を犬に譲る、などが犬を優位にさせてしまう原因となると言われています。

一度関係が崩れてからでは改善することは難しくなってしまいますが、問題を解決するためには時間がかかっても根気強く取り組む必要があります。
主従関係を正しくするためにはまず、犬の名前を呼んでアイコンタクトをとり、命令を下すという習慣を身につけさせます。

また、散歩中も飼い主さんが主導となって歩くリーダーウォークを覚えさせましょう。どうしても治らないという場合には、ドッグトレーナーなど専門家に相談することも考えなければなりません。

可愛がりすぎに注意

犬が可愛いからといって必要以上に可愛がりすぎている場合は注意が必要です。
犬の可愛がりすぎやかまいすぎは分離不安を引き起こす原因となります。犬が分離不安にならない、または分離不安を改善させるために犬を自立させる必要があります。

飼い主さんがいない状況に慣れさせるために、飼い主から離れた場所で休んだり、おもちゃで遊ぶなど、普段から犬が一人で過ごす時間を作ってあげます。
また、夜寝るときなどに同じ部屋で寝ることも犬の依存性を高めてしまう原因となるので、日ごろからゲージに入れるなどして、一人でいることは特別なことではないと思わせましょう。

依存度が強い犬でなくても、いきなり半日も家を留守にしてしまうと犬は不安を感じてしまいます。そのため、短い時間から徐々に留守番させることに慣れさせる必要があります。

まずは家の中から出ずに犬が見えなくなる場所へ移動して隠れます。その後、犬が吠えている場合は、鳴き声が止んだタイミングを見計らって犬の元へ戻りましょう。そして、戻ったらしっかり褒めるようにします。
この距離や時間を少しずつ伸ばすことで犬の分離不安を改善できる場合があるので、繰り返しトレーニングを行いましょう。

ポイント

このように犬が顎を乗せるのにはいろいろな意味があります。飼い主さんや家族の体の上に顎を乗せる場合は甘えたいときや、かまって欲しい場合など、愛情表現やスキンシップが理由となります。また、顎をつけたまま寝ている場合は非常にリラックスしている状態ですが、地面に顎をつけた状態で寝ている場合は反対に周囲を少し警戒しています。ほかにもおやつの要求や自分の方が上位であることを示そうとしている場合もあるので、犬の様子や普段の生活などを見て、顎を乗せてくる理由を特定しましょう。