犬が口を舐める意味とは?しつこく舐める場合は要注意!犬が人や犬の口を舐める理由について

犬は飼い主さんや家族、よその人や犬など、相手の口を舐めることがよくあります。一見これらは懐いていたり愛情表現やコミュニケーションの意味があるように思えますが、犬によっては異なる理由がある場合もあります。もちろん愛情表現の意味も含まれていますが、犬の習性やストレスが関わる行為である場合もあるので犬の様子をよく見ることが大切です。ここでは犬が人や犬の口を舐める理由や意味、注意点などをご紹介いたします。

目次

犬はいろいろなものを舐める

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犬にはいろいろなものを舐めようとする習性があります。それはほかの犬や人間であったり、家具やおもちゃなどの物、自分の体などさまざまです。
これらには愛情表現や何らかの要求のあらわれであったり、病気やストレスのサインという場合もあり、舐める相手や場所によって大きく意味が異なります。

相手を舐める

犬は飼い主さんや家族、よその犬などを舐めることがあります。
犬がどういったときにどの部分を舐めるかによって意味が異なる場合がありますが、主に愛情表現として相手を舐めます。これは犬の祖先であると考えられているオオカミが、目上の相手に敬意や愛情を示すときに舐める行動を取ることの名残だと考えられています。

また、舐めるという行動は相手への挨拶や謝罪などといったコミュニケーションの一環として行われることがあります。

自分の体を舐める

犬はグルーミングといって、自分の被毛のお手入れをするときに自分の体を舐めることがあります。ほかにも病気で弱っていたり、どこかを怪我しているときなど、健康状態が思わしくないときに犬は患部を舐めることがあります。

また、強いストレスを感じているときにも自分の体を舐めることで気を紛らわせているという場合があります。

おもちゃや家具を舐める

犬は興味を示すといろいろなもののにおいを嗅ごうとしますが、犬は嗅覚だけでなく、舐めることによっても物を確認する習性があります。
そのため、好奇心から楽しむために何かを舐めることがあります。

犬が犬の口を舐める

犬が他の犬を舐める場合は、人を舐めるときよりも社会的意味が強いと言われています。
そのため、犬社会の順位や敵意のなさを示していると考えられていますが、口を舐める場合は単なる愛情表現の場合もあります。

相手の犬が自分よりも上だと思っている

犬がほかの犬の口を舐めるのは、自分の立場や感情を相手に伝えようとしているときに見られます。このような行動は「カーミングシグナル」と言われており、犬はいろいろな行動によって自分をリラックスさせたり、相手感情を伝えようとします。

犬の祖先だと考えられているオオカミは、自分を小さく見せて敵意がないことをあらわしたり、相手の方が上だという服従心を示すときにほかのオオカミの口を舐めることがあります。
犬も同じように相手の口を舐めることで敵意がないことを知らせて不要な争いを避けようとしています。

愛情表現

犬が相手の犬の口を舐めるのは服従心だけでなく、単なる愛情表現で「仲良くしようよ」という意味の場合もあります。
犬は親子やオスメス、仲間同士で舐め合います。仲の良い犬を舐めることは伝達の一つで「ソーシャミング」と呼ばれています。

子犬が母犬の口を舐める場合

子犬が母犬の口を舐めるのは食べ物をねだるサインでもあります。
そのため、お乳が欲しいときやお腹が空いたときなどに、母犬の口を舐めておねだりすることがあります。

また、甘えたいという気持ちをあらわれでもあり、母犬の口元を舐めて甘えようとします。

犬が人の口を舐める

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犬を飼っている人や犬を飼っている人の家へ行くと、飼い犬に口元を舐められることがあると思います。犬が人の口を舐める理由は犬の状態によっていろいろな意味が込められています。

挨拶や愛情表現

犬が飼い主さんや家族の顔や口を舐める理由はいくつかありますが、一つは愛情表現で、飼い主として頼っている信頼のあらわれです。飼い主さんを自分の保護者として認め、舐めることで愛情を示しています。

また、犬は知らない人の顔を挨拶として舐める場合があります。社交的で活発な性格の犬は、初めて会った人に対して顔や口を舐めて積極的に挨拶をしに行きます。

甘えている

犬のなかにはいくつになっても甘えん坊な子も多く、可愛がってもらいたいと思っています。
そのため、犬が飼い主さんや家族の口を舐めるのは子犬が母犬の口を舐めるのと同じように甘えようとしているときにも見られます。

また、人懐っこく甘えん坊な性格の犬は撫でてもらったり、可愛がってもらうために知らない人の顔を舐めることがあります。
顔を舐めて挨拶に行くと遊んでくれたり、可愛がってくれることを犬はわかっているのかもしれません。

美味しいと思っている

犬が人の口を舐めるのは、口元についている食べ物を味わいたくて舐めている場合があります。
お菓子やご飯を食べた後など、口の周りから良い匂いがすると、食べかすなどを食べるために口周りを舐めることがあります。

また、鼻や耳などを頻繁に舐める場合は、鼻の粘膜や耳垢などを舐めているかもしれません。しょっぱいものが好きな犬は鼻水や耳垢などの塩分が美味しくて舐めようとすることもあります。

ご飯やおやつをおねだりしている

お腹が減っているときなど、ご飯やおやつが欲しいときにも人の口元を舐めることがあります。これは子犬が母犬に食べ物をねだるサインと同様で、食べ物をねだるために口元を舐めようとします。

また、こうしたタイミングで以前おやつやご飯を与えたことがあると、犬はそれを記憶しており、口を舐めるとおやつをもらえると思って要求している場合もあります。

落ち着こうとしている

犬は不安を解消して落ち着こうとしているときにも人の顔を舐めることがあります。そのため犬が頻繁に顔を舐めてくる場合は、何らかの不安を感じているのかもしれません。

例えば留守番していた犬が帰ってきた飼い主の顔を頻繁に舐めるという行動は、不安を解消して落ち着こうという心境のあらわれなのかもしれません。
また、知らない人の顔をよく舐める場合は、その人を警戒しており、相手の口を舐めることで敵意がないことを知らせて不要な争いを避けようとしてる可能性もあります。

あまりにもしつこく人の顔を舐める場合は、強迫性異常症である可能性もあります。

強迫性異常症について

強迫性異常症とは、強い不安や恐怖、欲求不満などのストレスが原因で異常行動を繰り返してしまう状態を言います。
相手の口を舐めるという自然な行動でも、必要以上に舐め続けてしまうような場合は異常行動とされ、強いストレスが原因となっている可能性があります。

犬が何か強い恐怖や不安を感じていないか、あるいは散歩や運動、コミュニケーションが不足することによって欲求に陥っていないかなど、普段過ごしている環境を含めて見直してみましょう。

犬に口を舐められることの注意点

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犬の病気の中には、犬だけではなく人にも感染する人獣共通感染症というものがあります。
そのため、犬が何らかの細菌や寄生虫に感染している場合は、犬に口を舐められることで人に移ってしまうこともあります。

特に、免疫力が弱い赤ちゃんやお年寄りの場合は感染しやすいので、犬が何らかの感染症を患っている可能性がある場合は注意しましょう。

犬のQ熱

「コクシエラ・バーネッティ」という細菌が感染することでQ熱という病気を発症することがあります。
これは犬だけではなく人にも感染する人獣共通感染症の一つで、犬がコクシエラ・バーネッティに感染された場合ほとんどは無症状ですが、妊娠しているメス犬が感染すると、流産や死産などを引き起こす可能性があります。

人に感染すると重症化する恐れがあり、Q熱の原因菌であるコクシエラ・バーネッティが感染すると2~3週間の潜伏期間の後に40度近い高熱、体がだるい、関節が痛む、頭痛、寒気などのインフルエンザとよく似た症状がではじめます。

症状は長期間続くことが多く、悪化してしまうと肺炎や肝炎などを引き起こすことがあり、命に関わる場合もあります。
犬は無症状なことが多く、早期発見が難しい病気なので、他の病気の予防も兼ねて健康診断を受けましょう。

犬回虫症

犬の「回虫症」はトキソカラ症とも呼ばれ、寄生虫の一種である「犬回虫」または「犬小回虫」が寄生することによって発症する病気です。犬が感染すると、食欲が減る、下痢や嘔吐、咳き込むなど症状があらわれます。

お尻や毛についた回虫の卵を舐めた犬が、人の口を舐めることで稀に人間にも感染することもあります。
特に免疫力の弱い子供などが道端に放置してある犬の糞に触れることで感染することがあるので、気を付けましょう。また鶏肉やレバーを生食することでも感染することがあり、人に感染した場合は重症化する危険もあります。

パスツレラ症

人畜共通感染症の一つで、パスツレラ菌が感染することで発症する病気です。パスツレラ菌は犬のおよそ75%が保菌していると言われており、犬はパスツレラ菌に感染していても特に症状が出ることはありません。

しかし、人間に感染することで、呼吸器疾患や外耳炎、骨髄炎、敗血症など重度な感染症状を引き起こし、死に至る場合もあります。
主に犬とのキスや食べ物の口移しなど過剰なスキンシップによって発症することがあるので、赤ちゃんや高齢者、免疫力が下がる病気を患っている場合などは特に注意が必要です。

ポイント

このように犬が相手の口を舐めるのにはさまざまな意味があります。ほとんどは挨拶や愛情表現などの意味なので、撫でるなどスキンシップをとってあげましょう。犬が相手の口を舐めることには決して敵対するような意味はありませんが、ときには相手を怖がっていたり、ストレスを溜め込んでいる、おやつを要求しているなどの意味が含まれている場合もあるので、普段の犬の様子や性格などから見極めてあげましょう。