ボーダーコリーだけに発症する恐ろしい病気「CL症」について

ボーダーコリーにはCL症というとても恐ろしい病気があります。このCL症はボーダーコリーのみに見られる病気で一度発症すると治療法がなく、必ず死に至るとても恐ろしい病気です。遺伝によって発症する先天的な病気なので予防法はありませんが、検査を受けてCL症を持っている犬に交配をさせないことで病気の拡大を防ぐことができます。ここではボーダーコリー特有の病気であるCL症の症状や原因、対策法などをご紹介します。

目次

セロイドリポフスチン症(CL症)とは

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「セロイドリポフスチン症(Ceroid Lipofuscin)」は通称CL症と呼ばれ、ボーダーコリーに見受けられる病気のことです。
神経細胞を冒してしまうボーダーコリー特有の先天性の脳疾患で、ボーダーコリーだけが稀に発症します。

伝染性はないのでボーダーコリー以外の犬にうつることはないのですが、一度CL症を発症すると治ることはないので、必ず死に至ります。

症状は主に運動障害があらわれる

CL症は先天性の病気ですが、生後すぐに症状が出ることはないです。そのため、しばらくは病気を保有していることが分からないのですが、生後1〜2年くらいからCL症の症状があらわれ始めます。
ボーダーコリーがCL症を発病すると急に不安を感じ始めるようになり、あらゆるものに恐怖を抱くようになってしまいます。

また、方向感覚を失う、膝が曲がらない、階段の上り下りがうまくできない、歩けなくなるなどの運動障害が出てきます。他にも、急に凶暴になる、錯乱して動き回る、異様な執着を見せるなど奇怪な異常行動が見られるようになり、最終的に死に至ります。

年齢別にみられるCL症の症状

ボーダーコリーがCL症を発病する遺伝子を受け継いでいる場合、生後16ヶ月から23ヶ月くらいで以下のような異常行動を引き起こすようになります。

・繰り返し走り回る
・目的がなく徘徊する
・色々なものを怖がる、びくつく
・音や見たもの、触られることに過剰に反応する
・噛む、吠え続ける
・急に怒り出す、生き物以外に威嚇を始める
・トイレを失敗する
・飼い主が分からない、反応がなくなる。

生後20ヶ月を過ぎると以下のような運動障害を引き起こすようになります。

・ふらつき、歩行困難
・段差の上り下りができない
・ジャンプができない
・立つことができなくなる

生後21ヶ月頃になると視力障害を引き起こします。
・物にぶつかる
・暗闇を嫌がる
・階段の登り降りを嫌がる
・音に敏感になる
・失明する

生後26ヶ月から28ヶ月くらいになると命を落とします。

病気を発症する原因は?

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CL症は先天的に「セロイド・リポフスチン」という脳内の老廃物を除去する酵素が正常に働かなくなることが原因で脳がダメージを受けてしまいます。
およそ1/1800で発症すると言われている非常に稀な病気で、遺伝が原因となって発病します。

CL症は遺伝子の異変が原因

ボーダーコリーのCL症は特定の遺伝子の変異によって発症する病気で、この遺伝子は子供にも受け継がれてしまうので、オスメスに関係なく発症してしまいます。
主にボーダーコリーのCL症は「クリア」「キャリア」「アフェクテッド」の3つに分類されます。

・クリア
遺伝子の異変を全く受け継いでいないため、CL症を発症することがない犬。

・キャリア
CL症を発症することはありませんが、遺伝子の異変を一つ受け継いでいる状態です。

・アフェクテッド
遺伝子の異常を完全に受け継いでいるため、CL症を発症してしまいます。

CL症を受け継ぐ可能性

CL症はクリア犬同士が繁殖を行った場合、病気を発症することはありません。しかし、キャリアやアフェクテッドの犬が繁殖を行った場合、子犬が遺伝子の異変を受け継いでしまったり、病気を発症することがあります。

・キャリアがクリアと繁殖をした際
50%の確率で子犬が「クリア」か「キャリア」になり、病気を発病する「アフェクテッド」が生まれることはありません。

・キャリア犬同士で繁殖をした際
25%の確率でクリアが生まれてきて、50%の確率でキャリアが生まれ、残りの25%の確率で病気を発病するアフェクテッドが生まれます。

・アフェクテッドとクリアが繁殖をした際
100%の確率で子犬はキャリアとなります。クリアが生まれることはありませんが、同時に病気を発症するアフェクテッドが生まれることはありません。

・キャリアとアフェクテッドが繁殖をした際
50%の確率でキャリアかアフェクテッドが生まれることがあります。キャリア×アフェクテッドからクリアが生まれることはありません。

・アフェクテッド同士が繁殖をした際
子犬は100%の確率でアフェクテッドになります。クリアやキャリアが生まれることはありません。

CL症の予防法と治療法

現在CL症には有効な治療法はないです。なので、一度発症すると治療することはできず、必ず死に至ります。
また、先天性の病気なので予防法はキャリア同士の繁殖やアフェクテッドの繁殖をやめさせることしかありません。両親のどちらかがクリアであればキャリアが生まれることはあってもアフェクテッドが生まれることはないです。

アフェクテッドの場合は病気が発症するので、CL症という病気に気づくことができますが、キャリアは病気が発症しないため、繁殖には注意が必要です。簡単な遺伝子検査でクリア、キャリア、アフェクテッドかどうかが分かるので、繁殖をさせる場合は病気を予防するために必ず検査を受けさせましょう。

ブリーダーやペットショップで購入する場合

基本的にブリーダーはCL症という病気のことをよく知っているので、アフェクテッドの犬を繁殖させないように注意しているはずなのですが、キャリアならば、クリアの犬と繁殖を行わせている可能性があります。

この場合、CL症を発病するアフェクテッドは100%生まれませんが、キャリアが生まれる確率は50%です。
そのため、ブリーダーなどからボーダーコリーを迎えいれるときにキャリアの犬を避けたいという場合や、万が一CL症を発症するアフェクテッドである場合を避けるためにも、犬を迎え入れる場合は飼い主さん自身が調査しておいたほうが良いでしょう。そのためには事前に血統書を見せてもらうようにして、病気の可能性がある犬は避けた方が良いと考えられます。

ポイント

ボーダーコリー特有の病気であるCL症は、発症することは稀なのですが、治療法がないので必ず死に至るとても恐ろしい病気です。CL症は遺伝子の異常が原因で発症する先天的な病気なため、予防することはできません。なので、CL症の遺伝子を持つキャリア同士の繁殖や、病気を発症させてしまうアフェクテッドの繁殖を避ける必要があります。。また、ブリーダーやペットショップで購入する場合も、CL症の遺伝子を持った犬を避けるためにボーダーコリーを迎え入れるときに必ず血統書などで親の遺伝子の情報を把握しておきましょう。

ボーダーコリーが注意すべき病気は?特にCL、目や足に気をつけよう!|HANEY [ハニー]
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