ミーアキャットの生態って?日向ぼっこや立つ意味、繁殖や天敵について

動物たちには様々な特殊な生態がありますが、サバンナを生息地とし、サソリを主食にしているミーアキャットたちにはどんな生態が隠されているのでしょうか?まずみなさんもよく見かける2本足で立つ姿には日向ぼっこの意味があり、お腹を効率よく温めています。繁殖や子育て方法も特殊で、群れの中で出産するのは1ペアしか許されません。ここでは名前の由来から繁殖方法、天敵など様々な生態についてご紹介します。

目次

ミーアキャットの名前の意味や由来は?

Fotolia 174896546 xs

動物園などでも見かけることが多く、愛らしい立ち姿や行動から人気の高い動物ですが、一体どんな生態や習性を持って生活をしているのでしょうか?

昔から馴染み深いミーアキャットの生態や名前の由来などについて見ていきましょう。

名前にはどんな由来がある?

ミーアキャットの学名上の名前は「Suricata suricatta」で、英名では「meerkat」、古い文献では「mierkat」と記載されており、アフリカーンス語で「シロアリ(mier)」「マングース(kat)」を意味しています。

キャットという名前から猫に関係があるのかと思う人もいるかと思いますが、ミーアキャットはマングース科に属しているため、シロアリを食べるマングースという意味からこの名前が付けられたのではないかと考えられています。

また、別名では文献通りの読み方としてミーアカットや、学名上の名前であるスリカータとも呼ばれることがあります。

猿と間違えられたという説も

2本足で立ち上がり、尻尾でバランスをとりながら立つ姿を見かけたことのある人も多いかと思いますが、この立ち姿から昔の人が「猿」だと思い、meerkatという名前が付けられたのではないかとも言われています。

オランダ語でmeerkatという言葉に「猿」という意味があることが、この説の裏付けになっています。

野生下の生息地や生活について

ミーアキャットは主にアフリカ南部を生息地としており、細かくはジンバブエやモザンピーク、ナミビアやアンゴラ、南アフリカ共和国やボツワナ南部などに分布しています。

サバンナのギャングと呼ばれることもあるように、主にサバンナのような乾季と雨季のある熱帯や、岩や石の多い開けた荒地、砂漠などを主な生息地としています。

どんな場所に巣を作っている?

ミーアキャットはうさぎなどの動物と同じように土の中に巣穴を作って生活しています。巣穴の入り口は直径約10~15cmほどで、一定の範囲内にいくつかの入り口を作って全ての穴を繋げるためかなり長い巣穴になります。

土の中以外にも、岩の割れ目などの天敵から隠れやすい場所に巣を作ることで身を守りながら生活しています。
生息地には天敵が多いため、このような生態にも大切な意味があります。

規則正しい生活リズム

ミーアキャットは昼行性の動物なので、私たち人間と同じような生活リズムを送っています。日の出とともに巣穴から出て日光浴をし、体を温めた後は食事をしたり集団で餌をとりに行ったりして、夜には巣穴に帰宅して睡眠や食事をとります。

しかし、暑い昼間の時間帯は涼むために巣の中で休む個体もいるそうです。

基本的には群れで生活をする

動物の中でも社会性の高い動物なので、2~30匹の集団を作って生活する生態を持っています。この群れはコロニーやパックと呼ばれており、集団の中で上位と下位にランク付けし合います。

また、餌をとりに行く時には必ず見張り役を用意して、餌をとっている時に天敵が現れた場合は立っている見張り役の仲間が鳴き声で危険を伝えます。

危険を知った場合は同じ方向には逃げず、散り散りになって逃げるため、遠くに行き過ぎた場合はそのまま巣穴が分からなくなってしまう個体もいるそうです。

鳴き声について詳しくは次のリンクを参考にしてください。

ミーアキャットにも鳴き声はあるの?種類や意味について|HANEY [ハニー]
ペットショップや動物園などでミーアキャットの鳴き声を聞いたことのある人も多いかと思います。「ギャッギャッ」「グッグ」「うにゃうにゃ」など、様々な鳴き方で感情を表現したり仲間に情報を伝えようとします。しかし、生態が詳しく解明されていないのと同じように、鳴き声についてもそれぞれが解明されているわけではありません。ここでは、ミーアキャットの様々な鳴き声についてご紹介します。

2本足で立つ理由は日向ぼっこのため?

Fotolia 159073848 xs

SNSやテレビなどでもよく見かけるみんなで並んで立つ姿には、どんな意味があるのか気になった人も多いのではないでしょうか?
立つという行動には主に2種類の意味があると言われているので、それぞれについて見ていきましょう。

日向ぼっこをするため

日中は気温の高い地域を生息地としていますが、深夜帯などの日が暮れてからや早朝は冷え込むことも多いです。
そのため、日が出ててきた頃に巣穴から外に出て、日向ぼっこをすることで体を温めます。

体脂肪や毛が少ない動物なので、この行動はミーアキャットが生きていくために必要な生態だと言われています。
直立して立つ方がお腹を温めるのに効率がいいので、このような日光浴の仕方をしています。

天敵がいないかを見張るため

主な生息地であるサバンナには、様々な動物が住んでおり、小動物であるミーアキャットはその中でも食物連鎖の下位に位置する動物なので、天敵となる動物がたくさん生息しています。

寝る時などは巣穴で過ごすため、あまり天敵に襲われる心配はしなくても大丈夫ですが、餌となるサソリや幼虫、鳥類などを狩る時には常に危険にさらされる状態となるので、見張り役が立ち上がって見張り役をしています。

ミーアキャットの天敵について

サバンナに生息する様々な動物たちの中でもミーアキャットは比較的下位に属する動物なので、たくさんの天敵が存在します。
地上にも上空にも天敵がいるため、餌を狩りに行く時には常に2本足で立つ見張り役を用意して敵を警戒しながら過ごしています。

それぞれの天敵について見ていきましょう。

上空の天敵について

空から襲いかかってくる天敵には主にフクロウやワシ、タカなどの猛禽類がいます。日中や闇夜に関係なく突然空から襲いかかってくることもあるので、普段から2本足で立つ時には同時に空を見上げて警戒します。

本能的に空から敵が襲いかかってくることを知っているので、上空を飛ぶものに対しても敏感に反応する個体が多く、飛行機やヘリコプターなどを見かけた場合も強い警戒心からトンネルや巣穴に隠れたりします。

地上の天敵について

ジャッカルやハブなど、ミーアキャットと生息地をともにする肉食獣たちの多くが天敵となります。

小動物であるミーアキャットを狙うのは主に中型の肉食動物となり、狩りをしている時に狙われることが多いので、狩り中は見張り役を置いて警戒し続けています。

繁殖の方法や生態について

Fotolia 162580032 xs

飼育下での繁殖方法が確立されていないため、昔から飼育している動物園でも何年も赤ちゃんが生まれてこないこともありますが、野生下では巣穴の中で年に2〜4匹ほどの子供を出産します。

ミーアキャットの繁殖方法や子育てには特殊な生態が隠れており、そのことが原因となって飼育下での繁殖が難しいと言われています。

繁殖は群れの上位の個体だけ

ミーアキャットはとても社会性の強い動物なので、2〜30匹ほどの群れの中で交尾、出産を行うことが許されているのは最上位に位置付けられている一組のペアだけというルールがあります。

このルールは掟のようなものなので、もし下位に位置する個体が妊娠した場合は群れから追い出されてしまうこともあるそうです。

このような形態は「共同繁殖」と呼ばれ、特定の動物たちに見られる繁殖方法ですが、その理由についてはまだまだ研究が進んでいない分野なので、いくつかの有力な説はありますが詳しく解明されていません。

子育ての生態が特殊

共同繁殖に含まれることですが、繁殖方法だけでなく子育て方法も特殊な生態をしています。群れのそれぞれの個体に役割が割り振られており、子守役や教育係、母乳を与える係を担当します。

子供たちが獲物を仕留められるようになるまで赤ちゃんは、狩りの時間を子守役と一緒に留守番して過ごし、成長していくにつれてその実力に見合った獲物をヘルパーが用意して狩りのやり方を教え込みます。

この時、万が一獲物が反撃して子供たちを傷付けてしまわないように、ヘルパーがしっかり獲物を瀕死状態にまで追い込みます。
こうした教育方法を大人に成長した子供たちが、また新たに生まれる子供たちに引き継ぐことで狩りの仕方や天敵を警戒する方法などが受け継がれていきます。

みんなで協力する生態は合理的?

上位の2匹しか繁殖することを許さず、群れが一丸となってボスの子供たちを教育して育てていく共同繁殖は、一見すると厳しく残酷なようにも見えますが、実は餌が限られていたり命を狙う天敵がたくさんいる厳しい生活環境においては合理的な生態であるとも考えられます。

詳しく解明されてはいませんが、必要以上に赤ちゃんを増やさず、全員で大切に子供たちを育てることで子孫を残す確率を高めているのではないかと考えられています。

妊娠期間はどれぐらい?

ミーアキャットの妊娠期間は約11週ほどで、生まれたての赤ちゃんはまだ目が開かない状態になっています。
生後約10日ほどで目が開くようになっていき、2ヶ月ほどで離乳の時期がきます。

離乳後からは徐々に教育が始まるため、成長に合わせた餌をヘルパーが用意してくれるようになります。
それからさらに2年ほど経って成熟すると群れから離れ、また新たな群れを形成していきます。

餌の中ではサソリが大好物

Fotolia 197190846 xs

サソリといえば強力な毒を持つ昆虫として有名ですが、ミーアキャットにとっては大好物の餌となります。
野生下の厳しい環境ではサソリは他の餌よりも水分を多く含んでいるので、貴重な餌の一つと言えます。

サソリの毒に免疫を持っている

ミーアキャットが厳しい環境でも生きていくために身に付けた能力の一つとして、サソリの毒に対する免疫能力を手に入れたと言われています。

その免疫力のおかげで、サソリの針に刺されても死ぬことはありませんが、赤ちゃんの場合は刺されることで危険な状態に陥る可能性もあるので、狩りの教育をする時には事前に針を取ってから狩りをさせます。

ポイント

ミーアキャットの生態はまだまだ研究が進んでいないことも多いですが、他の動物たちに比べると少し変わった生態がたくさん隠されています。繁殖や子育ての方法、スパルタな教育方法など面白い生態がたくさんあり、野生動物の中では人懐っこい動物なのでペットにも向いた性格をしています。また、大好物であるサソリに対する免疫能力も持っているので、危険なイメージの強いサソリもミーアキャットにとってはごちそうとなります。ペットとして飼育する場合はこれらの生態も理解した上で飼ってあげましょう。